夜中  | ちょいと、戯れ言横丁・テーマトーク館

ちょいと、戯れ言横丁・テーマトーク館

春原圭による、よろず文章読み物ブログです。読んでくれた皆様との忌憚ない意見交換を重視したいと考えておりますのでよろしく。









 「あいつったら、夜中に電話よこしてきやがってまいっちゃうぜ!」例えばあなたが友人にこんな風に愚痴られたとする。そう言われて、その友人の家に“あいつ”が電話をよこしてきたのは大体何時頃だと、あなたは推定するだろうか? 実はその問いに明確な答えはない。もちろん多数決をとって何時頃という答えが最も多いというデータを取ることはできるだろうが、それに当てはまっていない時間帯が間違いとは全然言い切れないのである──
 広辞苑を見ても『夜中』=「夜のなかば、夜半」とあり、でもって『夜半』を見ると「真夜中、夜の真ん中」、では『真夜中』はというと「深夜」…、そこで『深夜』と見るとやはり答えは「真夜中」──なのだが、参照として『深夜勤務』のところに「22:00から翌5:00までの時間帯の勤務」とあった…、てことは労働基準法の世界では22:00以降を深夜、夜中と見なすようである──しかし実際のところ時計の針が22:00を指したところで「ああ、もう夜中になっちゃった…」と思えるだろうか? 国語辞典や労基法の世界はともかく、現実の我々の生活実感として…。通常は「そろそろ寝るか…」と就寝の態勢にはいる時間が『夜中』のスタートなのではないだろうか。しかしそれだって、生活のサイクルは各人まちまちだから、それらの時間もあくまでも「その人にとって…」という話でしかないわけだが、それでもやはり世間一般的に大体何時から何時くらいまで、という慣例的に『夜中』とされる時間帯というものはあるだろう。
 通常の会社員の場合、始業時刻が朝9:00だとして、朝食や通勤の時間もあるから起床時間は大体7:00前後であろう。とすると床につくのは0:00くらいだろうか? これが僕の場合だと8:00始業なのでそれらも1時間早まる。なので現在の僕的には23:00以降が『夜中』になるが、もちろん今の勤務シフトになる前の9:30出社の時代には0:00までは夜中のうちにはいらなかったし、そうである人間が多数派であることも容易に想像つくので、冒頭の電話の例で言えば例えば23:30に電話をよこされても、個人的に「こんな時間に…」とは思っても他人にそいつのことを「夜中に電話よこすやつ」呼ばわりすることはしない。自分のサイクルの方が一般的でないことを認識してるから。現在でもたま~に3:00出勤なんてことがあれば、遅くとも21:00前には床に就くけど、それでも21:30の電話を「夜中に…」とはさすがに言えないだろうし、逆に僕が3:00に寝る習慣だったら、2:00は『夜中』に当たらないかというと…、やっぱそれは『夜中』だろうと思う。そういう一般的な基本線というのはやはりあると思うのだ──
 その『夜中』に何時からが該当するかは案外重要な問題である。冒頭の「夜中に電話…」と聞かされ、一般論的に誰もがそう認定する2:00や3:00を連想してて、実際は22:48とかだったりしたら、あなたは何と言うだろうか? もちろん生活サイクル的に22:48でも十分夜中に該当する人はいるし、その友人もそうなのかも知れない。また労基法でその時間が深夜に規定されているのも事実。しかし、他人に話す場合は、やはり自分自身のサイクルではなく一般民衆の日常的な慣習に準拠すべきではないだろうか? この電話の例の場合だと、僕が愚痴られる側の人間だったら、その友人が意図的に“あいつ”をおとしめてる可能性まで疑ってしまうかも知れない──