レントゲンもほどほどに… | ちょいと、戯れ言横丁・テーマトーク館

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春原圭による、よろず文章読み物ブログです。読んでくれた皆様との忌憚ない意見交換を重視したいと考えておりますのでよろしく。









 こちらの記事で、父の親友であった放射線科医の診断のマズさがこじれて結局ふたりが最後には絶交状態になった話を書いたが、実は父が左脚を切断するのと前後して、この放射線科医は病死しているのである──ガンで。この医師にしてみれば、親友の脚の痛みどころではなかったのだろう。
 この医師、患者の触診を行いながらレントゲン写真を撮影するということを長年繰り返してきたため、手が被曝状態となり、死の何年か前から指を数本切断してしまった状態だったのだが、やはり長らく浴び続けた放射線の影響は手の切断だけでは止められなかったようで、結局全身に異常をきたしてしまったのである──放射線のプロである放射線科医が、手の先だけとはいえそんなに毎日毎日放射線を浴びせ続ければどうなってしまうかわからなかったのだろうか、という気がしないでもないのだけど…、放射線科医って、みなさん触診しながら撮影するんですか?
 普通の人は年に1度くらい定期健康診断というものを受けているが、最もシンプルな基礎検診であっても、胸部レントゲン撮影というのは必ずついている。つまりたいがいの人は年に1度は身体に放射線を浴びせてるわけだ。これが人間ドックであれは、胸部だけでなく、バリウムを飲んで腹部(胃と食道)の撮影もする。これは1枚だけでなく右向いたり左向いたり寝転んで1回転したりなどしていろんな角度から何枚も撮影するわけだ。なので毎年人間ドックを受診している僕の場合だと、年に1度でもその1度に10数回立て続けに放射線を浴びてることになる──もちろん肺や胃の再検査に引っかかればさらにもう何度か浴びるわけだだし、脳ドックを受診する人なら頭にも放射線を浴びて脳を貫通させることになる。さらに大きな病気が疑われて精密検査ということになれば、ただでさえ病気で弱ったからだにさらに多くの回数放射線を浴びせることになるわけだ…。
 もちろんレントゲン写真で使う放射線は非常に濃度が低いものであるから、年に10回や20回浴びたところでまず人体に影響はなかろう。しかし、それでも上述のような最期だった放射線科医を身近に知っていると、撮影機の前で大きく息を吸って止めてる間でもつい「大丈夫かなぁ…」と不安を覚えてしまうのである──これだけ医師や看護師などの、人工呼吸器やら麻酔投与やらにまつわる医療ミスが騒がれてる昨今では、レントゲン技師だって腕が未熟だったり危機意識が希薄だったりすると、誤って許容量以上の放射線を…、という心配だって考えられなくはないし、そこまで極論でなくても、やはり微量ではあっても長年長年コツコツと放射線を浴び続けてるとやがて何十年後かに…、って思いません?
 僕が育った広島には言うまでもなく被爆者が多く、原爆病院などもあって原爆症の治療を専門的に行ってたりしてたのだが、被爆で浴びた放射能の量がかろうじて発症するギリギリ手前でとどまってたような人が、レントゲン撮影で浴びた放射線のためにスイッチがはいって発症、みたいな例も、もしかしたらあったのかもなぁ…。