ある春のバスターミナル


バスを待つキミの横で僕は
時計を気にするフリして見せるけど
次のバスまではまだ一時間
そこから最寄り駅までも一時間

 鉄道がない街とはいえ
 交通の要のバスターミナルは
 そこそこ街中で それなりに人もいて

今 季節はずれの雪が降ってても
あまり ひたれる景色じゃないねと
寂しくもなさそうにキミはつぶやく

 なごり雪も 降る場所をわきまえ
 僕らはまだ ふざけすぎた季節の中
 それでもキミは キレイになったよ
 そのことだけは確かに感じられる 春