『新・水滸伝』で蝶一郎さんの楊志があまりにも最高なのに私にはそのカッコよさを伝えるための表現力がない…あせる

というわけで、弓削猿丸様をご招待して蝶一郎さんの観劇レポートを書いていただきましたスターありがとうござりまするラブラブラブラブ

 

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2023年9月15日(金)。京都南座。歌舞伎座だと西にあたる、左の桟敷席(※一階の!桟敷席!!!!公演映像だと花道の役者さんの背景に映るとこ!!)に座らせていただきまして、《新・水滸伝》を鑑賞させていただきました。いやぁ………ありがたいことですね………。
というわけで、そこから見えた光景や体験や、さらに夜の部で座らせていただいた(!)、三階席から見えた景色や思ったことなど綴ってゆきます。

1. 青面獣楊志について
■敵の手ごたえが薄くて拍子抜けする楊志:
「ここまで押し出してきたが……」で肩に槍を乗せてつまんなそうな様子。まだ余力ありありで、槍振り回し足りない感じが伝わる。そう、後の集団内ポジションがクールな俯瞰派だから忘れがちなのだけど、好戦的なんすよね根っこがね……。

■下手の階段に凭れている楊志:
(図①)腕組みで背預けはカッコよさを三段階くらい上げますね!!!
 ニヒルな人物に似合う姿勢!!!
(※後のシーンで姫虎姐さんも違う向きでなさいますね)



■韋駄天に後ろからどつかれる楊志:
(図②)血の気の多い若者たちの「下剋上じゃぁーー!!」に ヤレヤレ…… と顰めた呆れ顔をやや下に向けたとこで後ろの韋駄天がニヤニヤと、発破かける感じで楊志の背中を“ドン!”と叩き、咄嗟に『やるか!?』と体ごと振り向くなり腰を低めてファイティングポーズ…… 反応が早くて荒くれぶりがよく伝わるんだけど、仏頂面の楊志に対して、挑発した韋駄天が楽しそうなんで、なんか休み時間の教室の後方の男子中学生みたいでもあるのだ……


■楊志の拇指のつけねの太さ:
(図③)下から掬い上げるような角度で観ていて分かった(と思った)んですが、中身の蝶一郎丈の親指の付け根が丸くはっきりと膨らんでいて、ウワ~~~筋肉の発達!! もともとアクション志向の方だそうですし、普段から鍛えてらして、きっとお役上この長物を振り回す時間も長かった為なんでしょうな……と思われてじわんとしました。細部に宿るキャラクターの説得力……!


■楊志「二人がために身を投げ出した林冲をわしは見直したぞ」:
このセリフ、後の橋の初回デートで青華さんが王英に言う「今は朝廷軍でも仲間を見捨てて我先に逃げる……それに引き換え梁山泊は」みたいな嘆きと賞賛と同じなんですよね共鳴してるのは。前半でしっかり、気高い武人として描かれた青華さんと楊志が林冲の自己犠牲の精神に同様に感銘を受けていることからも、楊志もまた己の生き方にポリシーのある武芸者であるという設定が示されているのでは?

そうして青華さんとの二重写しを意識すると、「一匹狼」だった楊志は「梁山泊だけは信じ申す」立場になっていくのも孤独だった青華さんと重なるんすね…… ヨカッタネ…… 仲間ができて……(泣)

■お辞儀から見る楊志と時遷のキャラの違い:
花道そばに立っているので、帰山した晁蓋をいち早く迎えることになる楊志と時遷。一直線に脚を揃え腕を胴につけ、ピシッとしたまま腰を折る、軍人様の挨拶を見せる楊志と、ひらいた脚の膝を曲げて腰を落とし、『おつとめご苦労さんにごぜぇやす』って感じの……ヤクザの挨拶なのよ……(笑) 「おれはヤクザじゃねえ!」つってた楽和のセリフは李逵だけじゃなくて時遷にも向いてたんかーーい……!

■楊志の衣装のひらひら:
前半終了間際の一斉舞踊のシーンで顕著なのですが。京都入り直前に画像でお衣装を通算10時間くらい見ていながら……気付かなかった! こんなにも動きに映える作りだとは!!
楊志の服装、いろんな布を何層も重ねたり巻いたりしてる中で大きい結び目が幾つか在って、肩から胸にタスキ掛けで回した茶色の帯の結び目が左の後ろ腰に、襟元に巻いた赤いチーフの結び目が背中に…… その結び目から垂れた両端がひらひらとよく動くこと!
あと腿まわりに下がった毛皮様の腰巻もその下の膝前まである長い裾も、くるりと回ったときにスカート状にひろがって、動きの軽やかさを強調するのね……!
直立時や、武器を構えた時でも止まっていれば、布々は真っすぐ垂れてるだけなので目立たないのに、動き出すと途端に存在感を主張するんですよ。それってまるで楊志のキャラクターじゃないですか!!? そこまで投影してらっしゃるんですか衣装のデザインに!!? すごい!!!!

■踊る楊志の足踏みと掌:
ここはですね、フォロアさまの推し様なので、ということを措いといて歌舞伎座からずっと観てました。というか目を吸い寄せられるんですよ楊志に。あんな長物担いだまんま曲に合わせてザッザッザッてリズミカルに地を踏む足! 左右の上方に視線を遣るのに合わせてひらりひらりと翻る左の掌!
この身のこなしと前述の衣装から鑑みるに、楊志の造形のポイントは “ひらり” とした軽さと速度にあるのじゃないかしら…… 得物が槍なのも取り回しの軽快さと速さを見せる武器だし。その軽さが浮ついた方向に流れないのは、真面目で物固い武人である、という楊志の肚が重しになって、落ち着いた佇まいに結実してるのではないでしょうか。

以下後半!

■林冲救出戦の楊志:
クルッと回る前、目の前の敵を見据えたままで楊志が背中合わせの韋駄天の腰に手!!!(ひらいた左手!!) この自然なバディ感!! ヤダーーーさっきあんなに『やるか!?』ってバチバチしてたのに!? アッわかったコレ、ルパン3世の次元と五ヱ門だ!!!!!

■林冲先生の軍師勧誘を晁蓋に反対されたときの楊志:
『エッ 何を……』て困惑の表情の後、居並ぶ面々と声を揃えるため「おかしら!」の一音目の「О」を言うかたちの口でさりげなく待っている蝶一郎丈……!!!!
(ここんとこの構図、レオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》の使徒たちみたいだな……)

■「強盗かぁ……」のニヤリ楊志:
低いとこから掬い上げるような悪党の笑みを薄く浮かべ、右の手の甲を左の平手でパチンと受け止めるようにぶつけ、やる気を見せる。わ~~~~ヤダ~~~~年長者らしく落ち着いたキャラっぽかったのに早くもうずうずしてるじゃないですか~~~~~根が好戦的~~~~~!!!✨(※ちっともヤではない)

■襲撃成功&高俅仕留め後の喜ぶ楊志:
ハグ!?(王英と!?) ぉ、ぉわ~~~~っ…… 激喜びじゃないの楊志……。

■朝廷軍兵士への楊志:
兵たちがなだれ込むとこで二度見してビクッと反応する楊志…… 事あらば即座に臨戦態勢をとりそうな武闘派楊志……!
そのあと事態を理解して兵たちを受け入れるとこの生真面目な和み方に、“あぁ武人同士分かり合える土壌があるのだな”という感じを受けますね……

■旗への血の誓いをする楊志:
立てて持ったままの槍の刃先へ手を伸ばして掌を切り、旗の前のもちゃもちゃに踏み入って、また元の位置に戻る動線が林冲先生の前を横切るため、接近した際に『(わしも)誓い申したぞ!』と口を動かしながら、切ったほうの拳を見せて笑顔を向けるんですね……楊志と林冲先生の中の方々の関係性を思うとこの短い絡みが胸アツ極まりないですね……


・最後のお色直し&集合の楊志:
ここまでですっかり“身軽さが身上”、みたいなイメージで観ていた楊志がぶわりとした布をマント状にまとっていて、それだけで印象が変わる…… 中身の蝶一郎丈が元々小顔で頸がすんなり長い方なので、肩から下にボリュームが出来ると身体のラインが大きく一体化して比較でお顔はなおのこと小さく、頸はいっそう細く長く見え、全体としてシュッとした印象が強くなりました。

カーテンコールでも観られるけどさぁ! お色直しバージョンを……もうちょっと長い時間……お一人お一人でじっくり……!!!(マントの留め方も数パターンあって、光の反射具合からして同じ生地でもこの方とこの方のは裏地を表に出してるのかな? とかまじまじ観察したいポイントが多いから……!)