2年目から生活指導主任を命ぜられ、元より学校長の「一緒に」という言葉に騙された?私は、学校改革に乗り出しました。


 そのためにはそれまでの常識を非常識に変えていかなければいけません。着手したのは、囲み指導の撤廃です。一人の生徒に何人もの教員が囲んで指導することを厳禁しました。


 また、多くの生徒の前で怒鳴る指導も禁止しました。威圧的な指導をしない。ただし、命に関わる指導については徹底的に根強く指導を加えるというもの。学校から教員の怒鳴る声がなくっていきました。


 また、同時に「生活指導だより」の月一回発行です。内容は、月毎の「生活指導目標」への取り組みで、あれはダメ、これはダメという内容は一切掲載しません。それと同時に「ちょっといい話」というコーナーを設け、生徒の小さな善行を先生方から情報収集し、紹介しました。


 それまで問題行動に目が行きがちだった職員の視線を、生徒の良い面を拾い上げるに向けたかったのです。そうしたことで、生徒の良さを引き出せればという思いでした。


 職員室での話題も段々変わってきたように思います。生活指導とは問題を解決するのではなく、生徒の良い面を引き出し、人として成長させることだと部会では言い続けました。


 もちろん「その指導は甘いとか、集団としてだらしなくなっている。」などのご指摘も沢山受けましたが、徐々に生徒の顔が緊張から笑顔に変わったような気がします。


 学校に寄り付かなかった生徒も少しずつ登校を始めました。確かにそれに伴い問題行動も増えてきましたが、周りの生徒たちはブレずに生活をしてくれたことに感謝しています。


 さて野球部の2年目ですが、前回紹介した大会に優勝したにも関わらず、地区での大会では今一歩のところで敗戦、念願の都大会出場を果たせませんでした。


 春の大会が終了した時点で、クラブチームの監督から保護者会を開催するので出席するよう要請があり、さぞかし保護者からの非難を受けるだろうと覚悟して出席したところ、保護者会は意外な方向に進行していきました。


(感謝15に続く)