昨日アメリカンリーグのMVPを満票で大谷選手が獲得したニュースが流されました。アメリカの野球記者全員が大谷選手に票を投じるのはすごい事だと日本中いや世界中の話題となりました。


 岩手県出身の野球選手がここのところ目覚しい活躍を遂げています。その先駆者が菊池投手、そして大谷選手、さらに佐々木投手もプロで活躍の兆しを見せています。


 東北の野球はそれまでも強豪と言われるチームがありましたが、菊池・大谷選手を育てた花巻東の佐々木監督は地元出身の二人を大きく世界に羽ばたかせました。


 ご自身の息子さんを擁して出場している今回の神宮大会でも今日國學院久我山高を撃破し、2回戦に駒を進めています。


 昨日のインタビューでは、菊池選手や大谷選手をどう育てたのか?という質問に「育てたのではなく、環境を与えたら彼らが自分で成長したのです。」と仰っていました。選手は育てるのではなく「育つ」。私も同意見です。


 世の中には自分の手柄のように言う指導者もいますが、そんな指導者の元では、人としての選手は成長しないと思います。菊池・大谷選手はその人柄も世界から認められる選手なのです。


 その基本は、高校時代の生活習慣から来ているものだと思います。例えば菊池選手は最上級生になってもトイレ掃除を欠かさずやっていたとか、大谷選手は「運」を引き寄せるためにゴミ拾いの習慣を欠かさなかったとか(メジャーのグランドでもそれは続いていました。)、自分で考えたことを実直に継続していました。


 アメリカを代表するスポーツでありながら、アメリカの記者たち全員が大谷選手に票を入れた背後には彼の人間性への投票も含まれていると考えます。もちろん候補に挙がった選手全てもその人間性を認められてのものです。


 大谷選手は私が見ている限りですが、その怒りの矛先を他人に向けた事はありません。自分に対する怒りの表現はあるにしろ、デッドボールを受けても、味方がエラーしても、一度たりとも怒りの感情を見たことがありません。


 人は許すことで前に進むものだと思います。自分の思い通りに事が進まなくても、それを他人のせいにしていては、その場から前には進まないのです。


 集団になればなるほど、違った意見や違った行動は生まれてきます。そこにばかり目が行っていると、思うようにいかない現実に怒りを覚えるものです。そんな時は、自分自身を見つめ直すことが必要です。


 他人がどうであれ、自分の信じたものをやり遂げる。そんな姿勢に人はついてくるものではないでしょうか?人を動かすためにはまず自分が動くことなのです。


 人が何を言おうが、二刀流を追い求め、やり遂げた結果に得たMVP。本当に素晴らしいとしか言えないし、誰もが出来るものではありません。しかし、私たちが学ぶべきことは沢山あります。


 人を動かすのは、自分自身の信念であり、やり遂げる気持ち、そしてどれだけ他人を許す事が出来るか、部活でもそれが学べると最高だと思います。