先日おかやま山陽高校野球部監督で元ジンバブエ代表監督の堤尚彦監督の話が紹介されていました。監督は教師ではなく職業監督という職種に当たるのかもしれませんが、その指導力には定評のある方です。 

 東京都立芦花高校から東北福祉大に進学され青年海外協力隊としてジンバブエで様々な活動をされました。ジンバブエの若者たちに触れ合う中で、野球という文化のなかったジンバブエに野球指導を通してその楽しさを教え、オリンピックアフリカ予選ではジンバブエ代表チームを第三位まで押し上げました。

 オリンピックはあと一歩で逃しましたが、打ったらどこに走るのかもわからないジンバブエの青年たちに野球という夢を与え日本に帰国されました。映像で紹介されたジンバブエでの練習風景は選手たちの笑顔と歓声に溢れ、日本の練習風景には見られない光景にある種の驚きさえ感じました。 

 監督の教え子の夢は「日本のプロ野球でプレーをする」事だそうです。オリンピック予選で敗れた選手達の涙の先に「次の目標」がはっきり見えていたような気がします。

  帰国後おかやま山陽高校野球部監督に就任した彼は、2017年春、2018年夏に甲子園出場を果たします。県外から優秀な選手を集めるのではなく、地元の中学から監督を慕って集まった選手で構成されたチーム。そのほとんどが部活で野球をやっていた軟式野球の選手たちです。

 その監督が中学選手を見るポイントとして以下の項目を挙げています。 
1・ユニフォームの着こなし 
2・顔、目つき 
3・三振やエラーした後の行動 
4・身体の強さ 
5・スピード感 
6・準備や片付けを率先してやるか 
7・声が出るか 

 1・ユニフォームの着こなし→身なり服装が乱れる者はプレーも乱れる。 
 2・顔、目つき→常に真剣に物事にあたれる情熱があるのかは顔や目つきでわかる。
 3・三振やエラーをした後の行動→失敗から立ち上がる強さがあるか。
 4・身体の強さ→病気や怪我をしない最大限の努力をしているか。
 5・スピード感→走力や瞬発力というより、行動に対するスピード感。常に次の準備が出来ているか。
 6・準備や片付けを率先してやっているか→周りを見て自分が何をやるべきか、どんな行動をすれば集団の役に立つのか。
 7・声が出るか→自分と周りを鼓舞する力があるか。 

 これら全ての項目は学校生活で鍛えられるものです。服装の乱れは生活の乱れ、仲間を思いやる行動をすぐにとることが出来なければ、生活においてもスピード感は生まれません。ましてや遅刻するなど時間を守れないのは集団(チーム)に多大な迷惑をかけます。また、早寝早起きの習慣は身体を強くすることにつながるはずです。チームやクラス、学年のために大きな声で発言する。それが声を出す行動源につながります。人が嫌がることを率先してやれば、準備や片付けも率先してやれるようになるのではないでしょうか? 

 学生野球にとって日々の生活が練習そのもの、そして成長のエッセンスが詰まっているのです。ジンバブエの野球青年達は、国のために尽力しながら日本のプロ野球選手を夢見ています。

  今一度学校生活を振り返り、強いチーム作りをしていきましょう。