先日初めての敗戦を喫したものの、開幕投手を務めてから13連勝を遂げた読売ジャイアンツの菅野投手は、開幕前の自粛期間中にフォーム変更に取り組んでいました。開幕したての頃は新フォームが定着しなかったのですが、徐々に投球も安定し、現在の結果につながりました。

 

 菅野投手といえばデビューから現在に至るまで球界のエースとして立派な戦績を収めてきました。(言っておきますが私自身はジャイアンツファンではありません。)野球教室などでは、そのピッチングフォームがお手本となる例も多かったのです。

 

 そんな完璧な投手であっても、完璧の先を目指し日々問い続けてきたのだと推察します。新フォームもそうやって得られた答えの先に完成していったのだと思うのです。

 

 また、阪神タイガース、メジャーリーガーを経て日ハムで引退した新庄選手は48歳にして再度プロ野球に挑戦しようとしています。一見派手で軽い性格に見える選手ですが、現役時代のエピソードを聞いて。一流のアスリートであると確信しました。

 

 若くして阪神タイガースの主軸を任されるようになっても、見えないところのでの努力は人一倍だったと、彼に近い存在だった人が証言しています。試合が終わって全員が休場を去った後も練習している彼の姿を目にしていたとか、コーチにしつこく質問してきたりとか。。。

 

 中でも印象残ったのは、極度のスランプに陥った彼が、ひらめいた質問相手が、コーチや監督、ましてや同僚でもない、グランド整備の責任者をしていた阪神園芸の方だったそうです。阪神園芸といえばグランド整備における日本一のプロ集団。なぜ彼がその責任者に問いをぶつけようと思ったのかというと、毎日練習から試合終了、そして終了後もグランドにいる方の話から何らかの答えがあるのではというひらめきからでした。

 

 一流のプロ野球選手が野球経験のないずぶの素人に真剣に問いかける。なかなかできるものではありません。最初は冗談かと思ったそうですが、新庄選手のあまりに真剣な態度に「よくわからないけど最近背番号が2に見えるんだよ。(当時彼の背番号は5)」と答えたそうです。それを聞いた新庄選手は「そうか!打ちたいと思うばかりに背中が丸まっていたんだ!」と答えを出し、その試合は背筋を目いっぱい伸ばし、背番号5がスタンドに見えるよう打席に立ち、2本のホームランをかっ飛ばしました。

 

 問いがなければ答えは出ません。本気で追いかけているものならば、自然に疑問や問いが浮かんでくるはずです。そして答えを求めたくなる。しかし、ただ単に答えがあればいいものではありません。それは、答えは与えられるものではなく、様々な選択肢の中から自分で選ぶものだからです。自分で選ぶためには、すべての答えに対して真剣に取り組んでみなければならないのです。答えは与えられるのではなく、得るものだから。

 

 上手くなるため、成長するため、常に自分自身に「問い」はありますか?答えは待っていてもやってこないのです。見つけ出すための自らの行動と思考が大切なのです。