本校も今週から分散登校が始まりました。クラスを出席番号の奇数と偶数に分け、午前3時間、午後3時間で交互に登校し授業を受けて下校するという形が来週まで続きます。何だか、久しぶりに教室で授業を受ける風景は新鮮な感じもします。

 

 今考えると、普段の学校生活がいかに密だったかを思い知らされます。感染対策に「リスクゼロ」は不可能です。その中でどれだけリスク回避が出来るか、試行錯誤しながら学校生活が始まったわけですが、職員も何が正解なのか迷いながら、生徒の学校生活を維持させるべくもがいているというのが本音のところです。

 

 肝心の生徒の様子ですが、久しぶりに再会した友との距離は守りつつも、いつもの笑顔が少しずつ戻ってきたように感じます。またそれが私たちにとっても救いであると同時にさらなる「リスク回避」を考える力ともなっています。流石に午前と午後同じ授業を展開しなければならないことや、登校や下校、軽食時などでの気配りなどで疲弊気味ですが、何より生徒の失われた時を取り戻すために何とか力をふりしぼっていきたいと思わせてくれる生徒の笑顔や、真剣に授業を受ける態度に出会えたことは救いです。

 

 特に多くのものを奪われた3年生は、言いたいことやぶつけたい思いがたくさんあると思います。それでも前を向き真剣に授業を受けている様を見ると本当に頭の下がる思いです。微力だとは思いますが、また、失われたものを完全な形にはならないかもしれませんが、少しでも復元できる方策を必死で探していきたいと思っています。

 

 「東京アラート」が発令されて数日経ちます。今日も感染者が20名と報道されました。この数は、緊急事態宣言が解除される前に感染したと予想されるものです。解除前に営業を開始したお店を批判する人がいますが、果たしてそれは正しいのでしょうか?身を削って休業をしていた方々のほうが圧倒的に多いはずです。自分自身のリスク管理ができない一部の若者や大人たちがいるためにお店も開けざるえない状況もあるのではないかと思います。

 

 現実を受け止め必死に前に進もうとしている児童、生徒、学生がたくさんいます。教室で真剣な生徒たちの顔を見るたびに、この子達の希望を一部の人間が奪い取るなよと怒りを感じてしまいます。

 

 来週の分散登校が終わるといよいよ一斉投稿が始まります。完全な日常の学校生活が戻ってくるにはまだまだ程遠いですが、少しでも日常の笑顔が戻ってくことを願ってやみません。そのための大人の日常を多くの人が考えられる世の中であってほしいと思います。