夕方のニュースで甲子園中止が決定しました。選手たち、監督、コーチ、保護者の方々その他学校関係者も大方予想はしていたと思いますが、現実を突き詰められるとやはりきついものです。高校総体も中止になる中、甲子園だけ特別視するわけはいかないし、もし開催となったら球児たちの立場も微妙になるのでは?と危惧する声もありました。ただ、三年間甲子園を目指して頑張ってきた選手たちのことを思うと、なんとも言えない気持ちになります。
中学野球でも結果を残し、その後高校野球の監督になられ甲子園にも出場したO先生のお話がある記事に掲載されていました。3月下旬から活動中止になり、現在は個人練習のみで選手たちとは毎日スマホで連絡を取り合っているそうですが、選手たちの新しい発見が多くあると書いてありました。
ある選手はあまり自己主張をしない選手だったそうですが、一人で出身中学校のグランドで練習していたら、やはり一人で練習に来た現役中学生(つまり後輩)を見て、「うちの学校で一緒に野球をやってほしいと思いました。」と連絡してきたそうです。O先生はそんなやりとりの中で、「新しい発見」という言葉で彼の成長を表現したのだと思います。そのO先生も大会の開催を願いながら日々グランドの草むしりをしていると書いてありました。
中止が決まり先生はどんな話を選手たちに伝えているか私には想像がつきません。しかし、先生の心は選手たちに確実に伝わっていると信じたい。どんな声かけも道を閉ざされた人たちには慰めにもならないかもしれません。ただ、その人たちにどれだけ真剣に関わってきたかで言葉の深さは変わってくるものと思います。深ければ深いほど体の奥まで言葉は浸透していくものだと思いたいです。
言葉の深さは心の深さ。その深さを感じ取れる人に成長してもらいたいと思います。部活が終わっても成長は止まらない。全ての球児たちが夢に終わりがないことがわかるよう祈って止みません。