一斉休校が要請された日、都内ほとんどの公立中学校は学年末テストの最中か最終日にあたっていたと思います。また、私立学校では翌週から(つまり一斉休校が始まった当日)学年末テストが計画されていた学校が多かったのではないでしょうか?本校も先週金曜日が学年末テストの最終日、今週初めから授業内で答案返却をする予定でしたが、全学年とも1教科も返却出来ずに休校が始まりました。
テストだけではなく各教科の提出物や様々な作品等、新年度が始まる前にどう返却するか、まだ現役生は進級後にも渡すチャンスがあるといえばあるのですが、卒業生にいたってはどうする事も出来ません。集団感染を起こさないためにも全校生徒を一堂に会して登校日を設けることも出来ません。その上本校は東京随一の大規模校です。
そこで考えられたのは学年登校日にクラスごとに時差を設け二クラス1時間限定で登校させるという案でした。昨日は9クラスある一学年が先陣を切って登校日となりましたが、1時間限定の上、前日までに学年教員総出で一人一人の配布物(答案用紙、模範解答、提出物、その他諸々)を仕分けし机上に置いて登校を待つという手段で出来るだけの時短をはかりました。
本日は二学年、そして明日は三学年がその登校日に当たります。今日登校と下校の様子を見ていましたが、ほぼ全員がマスクを着用しているものの、健康状態には問題がなさそうでした。久しぶりに登校してきた野球部員に今後も練習や試合が中止になる事を伝えましたが、「大丈夫です!午後3時から5時まで個人的にトレーニング計画を立ててやっています!」という心強い言葉が返ってきました。
「今出来ることが今やるべきこと」を実践している姿に感心さられたと同時に世の中では差別や偏見が蔓延り、買い占めに走る大人がいる中で現実をしっかり受け止め、前に進んでいる彼らが明るい未来を作ってくれると確信した日でもありました。