真剣勝負

昨日の日米野球では、日本が劇的な逆転勝ちを収めました。ひと昔前まで、日本がメジャーに勝てるなど夢物語に過ぎなかったのです。王、長嶋など名だたるプロ野球選手が束になってかかっても、メジャーには勝てなかった時代もありました。野茂投手が単身メジャーに挑戦し成功を収めてから、日本の野球小僧は将来メジャーで活躍する事を夢見るようになりましたが、日本で成功を納めても、メジャーでは活躍出来なかった選手も多くいます。

しかし、逆にメジャーから日本のプロ野球界に入り、再びメジャーに復帰した外国人プレーヤーの中には、復活を遂げた選手もいます。違ったカルチャーの中で違った野球を吸収する事で才能が開花した選手もいるということでしょう。

国が違えば、同じ野球でもスタイルは違ってきますし、上手くなるアプローチも違ってくるのです。昨日の日米野球でも、同点に追いついた後の菊地選手のセーフティスクイズは勝利へのアプローチがまさに日本の野球だったように思います。勝つためにどんな準備をすれば良いか、常に考えていたからこそのバントでした。

打席に立つ前に稲葉監督から「あるよ」と言われただけで、「二球目ですか？」と答える、まさに阿吽の呼吸での逆転バント。試合の流れから勝利の道を汲み取る野球は、日本文化の一つ「幽玄＝言わなくても理解する」に通じるものです。しかし、それは常に同じ方向を見ている者同士しか通用しないものです。

メジャーの野球もこれに近いプレーがありました。進塁させるための右打ち、意図の見えるバッティングが随所に見られました。それだけメジャーを本気させている証拠ですし、スタイルは違っても、野球という大きな文化は世界共通なのだと感じた瞬間でした。

三中野球部は日本野球の基礎を毎日グラントで教わっています。勝つために何をやるのかを考える習慣作りがまさにそれだと言えます。そして「言わなくても理解する」ために仲間とのコミニュケーションを絶えず行う事も大切です。

「今を集中する」。そう、今は学生の本分である勉強に集中すべき時です。テストが終わったら、再び野球談義を仲間と始めてください。明日も試験頑張れ！