昨年に引き続き、今年も明治神宮大会を観戦に行きました。第一試合の高松商業と八戸光星学院の途中から観戦しましたが、昨日紹介したフェアについていくつか両チームやスタンドを含めて気付いた事があったので、まず紹介します。

高松商業が投手交代の時、応援席にいた野球部員から「ハッピーバースデー」の大合唱が聞こえてきました。多分、二番手で登板したピッチャーの誕生日だったと思われます。その合唱が終わったと思ったら、今度は八戸光星学院のスタンドで応援している野球部員が「ハッピーバースデー」の大合唱を始めました。

高松商業のスタンドから拍手が巻き起こりました。日本の野球はお互いにエールを交換するという、素晴らしい習慣があります。相手をリスペクトする日本ならではの光景に、純粋にスポーツを愛する者たちの美しさを見ました。

野球に限らず、日本サッカーのサポーターも世界の賞賛を浴びています。スポーツを通して育つ心は世界にも通じるものです。部活で心を育てる必要性をさらに感じる瞬間でした。

また、試合中も相手のマスクやバットを拾って渡すシーンを何回も見ました。ただ渡すだけではなく、マスクやバットに付いた砂を丁寧に落として渡しているのを見逃しませんでした。今年の夏の甲子園でも、足がつって倒れている選手に相手チームの選手が一目散にスポーツドリンクを持って走っていくシーンがありましたが、フェアの基本が出来ているからこそ、あの舞台を踏めるのだと思います。

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アルプススタンドからの観戦で180度選手たちの気持ちのいい動きが見えました。

今日の目的は、東京都優勝校の国士舘高校の試合を観戦することでしたが、その前にすごくいいものを見せてもらったと感謝しています。なぜ国士舘高校の試合を観戦しに行ったかというと、実は国士舘高校野球部には、個人的な思い出があるからです。

随分昔のことですが、まだ国士舘高校野球部が強豪でなかった時代です。東京都は帝京高校が甲子園の常連でした。その国士舘高校に赴任されたN監督は、甲子園に出場することを目標に頑張っていらっしゃいました。

帝京高校をはじめとして、その他の名門校も硬式のクラブチームから選手を集めていましたが、国士舘にはそんな選手が集まりません。監督はこまめに中学校の野球部に足を運び、選手を集めていらっしゃいました。当時私の教え子に肩の強いキャッチャーがいたのですが、噂を聞きつけ監督が学校に来られたので、せっかくだからピッチャーも一緒に連れて練習の見学に行きました。

うちのバッテリーがキャッチボールをしているのを監督は見ていましたが、キャッチャーの子は都立志望だったので、国士舘への進学を辞退しました。しかし監督さんはせっかくの縁だからと言ってピッチャーの子を取りますと言っていただきました。

練習を見て私も、国士舘が近い将来甲子園に行くと直感しましたし、ピッチャーの子も身体は小さいけど野球が好きな子だったので、「国士舘で野球やってみるか?」と聞いたら、「はいっ!」と答えてきたのです。

中学の軟式レベルではそこそこの球を投げていた子でしたが、果たして高校野球で通用するか心配でしたが、保護者にも「国士舘は必ず甲子園に行きます。」と言って納得してもらいました。その彼が二年後にベンチに入りした国士舘高校は甲子園初出場を果たしました。

その後私の教え子が二人国士舘に進学しましたが、その二人とも甲子園に出場しレギュラーとして頑張ってくれました。東京都の強豪校の仲間入りをした後監督は、国士舘大学の監督となられましたが、最近また国士舘高校野球部監督に就任されました。

甲子園に行った教え子たちは身体も大きくなく、どちらかと言えば小柄な選手だったのですが、甲子園でプレーする姿は大きくて逞しく感じたものです。残念ながら今日の試合は力を発揮できず札幌大谷高校に敗れてしまいましたが、選抜高校野球にはほぼ推薦されると思います。テレビで応援しようと思っています。

もちろん、三中野球部の子が甲子園に出場したら、必ず現地に行って応援します。その日が来るのを楽しみにしています。