車椅子バスケの選手を迎え、オリパラ講演会が行われました。講師は、18歳の時に交通事故に遭い、両足が完全に動かなくなる重症を負ったそうです。日常的に出来ていたことが出来なくなると想像しただけで、目の前が真っ暗になるはずです。実際、講師の先生も「死にたい」と思ったそうですが、その命を救ったのが、車椅子バスケだったと仰っていました。

どんな状況であれ、人は環境や自分の置かれている立場に不満や不安を抱えるものです。五体満足であっても、他人と比較し、劣っている部分を見つけると、不平不満を感じてしまいます。俺はあいつと比較してあれが出来ない、これが出来ないなどと、出来ない所にしか視点を合わせてしまいがちになります。そんな思考では、負の迷路にはまり込むだけになってしまいます。

一昔前に「五体不満足」という本が出版されました。作者の乙武洋匡さんは生まれつき両手両足がなく、それでも負の迷路にはまり込むことなく、この本を出版されました。講師の先生が仰っていた「障害は個性です。」という言葉を生き方で実践してこられたように思います。

車椅子バスケの実演に入ってからは、全校生徒がその動きに釘付けになっていました。代表の生徒も車椅子バスケの車椅子に乗り、一緒にバスケをやらせてもらったのですが、普段とは感覚が全く違う世界を体験して、その大変さを実感したようです。

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講師は車椅子を自分の足のように操っていました。まるで両足で走っているようでした。

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野球部の数名も車椅子バスケを体験させてもらいましたが、自分の思うようにボールを扱えません。それでも必死に車椅子を操ろうと頑張っていました。

五体満足であっても、心が不満足ならば、身体は上手く動けないものです。講師の先生は、両足が動かなくても、心の力で車輪を動かしているように感じました。その走りは力強く、迷いのない動きだったように思いました。誰かと比較して出来る出来ないを判断しているのではなく、常に自分自身に対して「I can.!」と言い続ける強さを学ばされました。果たしてみんなはどんな感想を持ったでしょうか?

午後からは練習をしましたが、昨日監督から出された宿題を忘れずに、練習に入り込んだと思える部員は数名いたように見受けましたが、すっかり忘れている人もいたのは確かです。君たちは「五体満足」です。あとは「心満足」の状態になって欲しいと思います。チームが強くなるために、まずは自分が強くなることを目指しなさい。

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監督の指導を仰ぐ。目指す方向に全員が向いているか?仲間と一緒に考えてください。