什の掟。今日ミーティングで学校だよりに掲載された什の掟について話がありました。重複しますが、もう一度この場で紹介し、みんなの中に深く落とし込んでもらいたいと思います。
会津藩では十歳になると日新館で武芸を習うことが出来ました。まだ日新館に入れない六歳から九歳の子供たちが、自分たちの町に10人くらいの遊び仲間を作り、その集まりを「什」と呼んでいたそうです。そのうちの年長者（とは言っても九歳、小学校では3年から4年生といったところです）が什長となり、毎日順番に什の誰のかの家に集まりお話をみんなに聞かせ、そのお話に背いた者がいなかったかどうかの反省会を行いました。
一、年長者の言ふことに背いてはなりませぬ。
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ。
一、虚言を言ふことはなりませぬ。
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ。
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ。
一、戸外で物を食べてはなりませぬ。
一、戸外で婦人と言葉を交へてはなりませぬ。
ならぬことならぬものです。
お話に背いた者がいれば、什長はその者を部屋の真ん中に呼び出し、真実の有無を「審問」しました。事実に間違いがなければ、年長者の間でどのような制裁を加えるかを相談し、次のような制裁を加えました。
一、無念
一番軽い刑で、みんなに向かって「無念でありました」と言いお辞儀をしてお詫びをします。「無念」とは、「私は会津武士の子としてあるまじきことをし、名誉を汚したことは申し訳なく、まことに残念であります。」という意味でした。
二、しっぺい
いわゆる「シッペ」です。制裁の重さに応じて、手のひらに加えるか又は手の甲に加えるか、何回加えるかを決めました。仲がいい相手だからと力を抜く者がいないか什長は厳しく目を光らせ、すぐにやり直しを命じました。
三、絶交
一番重い処罰です。これを「派切る（はぎる）」と言い、いわゆる「仲間はずれ」です。滅多に加えられる罰ではありませんでしたが、一度「絶交」を言い渡された場合には、その父か兄が付き添い「お話」の集まりに来て、什長に深くお詫びをし、什の仲間から許されなけば再び什の一員に入ることが出来ませんでした。（「三中だより」より抜粋）
さてなぜこの話が今日のミーティングであったのでしょうか？会津藩士の子供たちが持っていたプライドは小さい頃から仲間と育んで来ているものです。「ならぬものはならぬ」それは集団が結束するための必要最低限の心得。
地区大会が終わり、都大会の権利を得た三中野球部が集団として成熟していくためには自己中心的な考えを捨てなければなりません。什の集団では掟に背けば罰則が与えられます。掟とは、その集団が目指すもののために作られたルールです。三中野球部が目指すものは人としての成長です。そもそも「背く」とは「背を向ける」と同じこと。つまり集団が目指す方向から背を向けて違う方向を見ているという意味です。
同じ目標を持ち、そのために「ならぬこと」とは、自分だけ楽な方向で同じ結果を得ようとすることではないでしょうか？そんな人を仲間はしっかり見ているはずです。本当に目標を成し遂げようとする集団であれば、なおさらその人の存在が足を引っ張る要因になりかねません。
今日のノートにも「どうすれば試合に出られるのか」と必死になって考えている人がいました。また、「自分たちは弱い、だから一丸となって戦う」と書いた人もいます。そんな什の集団になりつつある野球部だからこそ、背を向けている人が目立つのです。什長、野球部で言えばキャプテン、そしてそれを取り巻く年長者、つまり二年生がしっかり団結をして、お互いが全てを言い合える集団になってこそ、都大会の勝利が見えてくるはずです。
自分が周りからどう思われているのか、客観的に考えてください。そして気付いた事があれば、すぐに変わる努力をしていくこと。ミーティングの後の行進練習では什長の掛け声でみんなの声が一つになっていたように感じました。肝心なのはこれを最後の試合まで続けることなのです。
会津藩では十歳になると日新館で武芸を習うことが出来ました。まだ日新館に入れない六歳から九歳の子供たちが、自分たちの町に10人くらいの遊び仲間を作り、その集まりを「什」と呼んでいたそうです。そのうちの年長者（とは言っても九歳、小学校では3年から4年生といったところです）が什長となり、毎日順番に什の誰のかの家に集まりお話をみんなに聞かせ、そのお話に背いた者がいなかったかどうかの反省会を行いました。
一、年長者の言ふことに背いてはなりませぬ。
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ。
一、虚言を言ふことはなりませぬ。
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ。
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ。
一、戸外で物を食べてはなりませぬ。
一、戸外で婦人と言葉を交へてはなりませぬ。
ならぬことならぬものです。
お話に背いた者がいれば、什長はその者を部屋の真ん中に呼び出し、真実の有無を「審問」しました。事実に間違いがなければ、年長者の間でどのような制裁を加えるかを相談し、次のような制裁を加えました。
一、無念
一番軽い刑で、みんなに向かって「無念でありました」と言いお辞儀をしてお詫びをします。「無念」とは、「私は会津武士の子としてあるまじきことをし、名誉を汚したことは申し訳なく、まことに残念であります。」という意味でした。
二、しっぺい
いわゆる「シッペ」です。制裁の重さに応じて、手のひらに加えるか又は手の甲に加えるか、何回加えるかを決めました。仲がいい相手だからと力を抜く者がいないか什長は厳しく目を光らせ、すぐにやり直しを命じました。
三、絶交
一番重い処罰です。これを「派切る（はぎる）」と言い、いわゆる「仲間はずれ」です。滅多に加えられる罰ではありませんでしたが、一度「絶交」を言い渡された場合には、その父か兄が付き添い「お話」の集まりに来て、什長に深くお詫びをし、什の仲間から許されなけば再び什の一員に入ることが出来ませんでした。（「三中だより」より抜粋）
さてなぜこの話が今日のミーティングであったのでしょうか？会津藩士の子供たちが持っていたプライドは小さい頃から仲間と育んで来ているものです。「ならぬものはならぬ」それは集団が結束するための必要最低限の心得。
地区大会が終わり、都大会の権利を得た三中野球部が集団として成熟していくためには自己中心的な考えを捨てなければなりません。什の集団では掟に背けば罰則が与えられます。掟とは、その集団が目指すもののために作られたルールです。三中野球部が目指すものは人としての成長です。そもそも「背く」とは「背を向ける」と同じこと。つまり集団が目指す方向から背を向けて違う方向を見ているという意味です。
同じ目標を持ち、そのために「ならぬこと」とは、自分だけ楽な方向で同じ結果を得ようとすることではないでしょうか？そんな人を仲間はしっかり見ているはずです。本当に目標を成し遂げようとする集団であれば、なおさらその人の存在が足を引っ張る要因になりかねません。
今日のノートにも「どうすれば試合に出られるのか」と必死になって考えている人がいました。また、「自分たちは弱い、だから一丸となって戦う」と書いた人もいます。そんな什の集団になりつつある野球部だからこそ、背を向けている人が目立つのです。什長、野球部で言えばキャプテン、そしてそれを取り巻く年長者、つまり二年生がしっかり団結をして、お互いが全てを言い合える集団になってこそ、都大会の勝利が見えてくるはずです。
自分が周りからどう思われているのか、客観的に考えてください。そして気付いた事があれば、すぐに変わる努力をしていくこと。ミーティングの後の行進練習では什長の掛け声でみんなの声が一つになっていたように感じました。肝心なのはこれを最後の試合まで続けることなのです。