二年生の夏休み、私たちが中心となって動き出しました。与えられた日数は20日間、顧問の先生は自分たちで計画を練り練習しなさいと言い放ち、グランドには現れませんでしたが、それでもチームメイトと色々話し合って練習内容を決めたのは楽しくもありました。

チームメイトの中には夏休み中に身長が20cmも伸び、180cmを超える者も出現しました。一年生からバッテリーを組んでいたピッチャーも優に180を超え、受けていても球速がさらに増し、控えのピッチャーも自分なり工夫をし、サイドハンドにフォームを変えたり、またエースと遜色ない球威の者も出てきました。

しかし残念ながら自分たちがどれくらい強いのか、または弱いのかが全くわかりません。それは練習試合が一つも組まれていなかったからです。どんなに練習しても、試合をしなければ経験値が上がっていかない。今思えば簡単な事でしたが、先輩たちも含めて試合をさせてもらわなかったのが普通だったから、誰もそれに気付かず、ただ只管自分たちが決めたメニューで練習を続けていました。

まだ中学生、自分に厳しくするには限界があります。夏休みが終わる頃には練習をサボるようになり、二学期に入ってもそれは続きました。自分もその一人だったのも否めません。今の三中のように、指導者があらゆる角度で練習を見てくれることもないので、身体能力が高くても野球の技術や組織的プレーが上達するわけもなく、新人戦もあっさり負けてしまいました。

本来体幹や筋力をアップすべき冬場の練習もすることなく、最上級生である三年生を迎えました。