☆気象さんBL小説です、ご注意ください。



「F」





s×o









智side




カウンターでいろんな話をした


仕事の愚痴を言うでもなく

誰かの話をするんでもなく


当たり障りのない

本当にたわいもない話....


でも今日しにきたのはそんな話じゃなくて。


でも翔くんの方からそういう話が出ないってことは

やっぱりそういう対象としては

おいらのこと見てないからなんだって

つくづく思わされて。


ため息が出た。


そんなこと思ってるとは知らないんだろうな...


「智くん、疲れてる?」

って心配そうに覗き込む翔くん。




あんたのことだよ。


呑気だな...全く。








じわじわと熱いものがこみ上げてきて

視界がぼやけたことで

涙が出てきたとわかった





いてもたってもいられなくて

トイレに立った....



「なに?あなた今どこにいるの?
は?なんで?え?まさか泣いてます?」


電話口で聞こえるのは

ちょっと焦ったにのの声。


「ん...やっぱりむりだわ、おで。」

ふぅ〜と電話の向こうでため息が聞こえた

「も〜あなたが頑張るって言ったんじゃないー」

「ん....」


「ほらもう、鼻水すごいから。」


「だ、だってぇ..しょうくんが...」

「わかった、わかったよ。
じゃぁ、迎えに行けばいいの?」


「.......ん。」

「迎えに行ってもいいの?」

「........」

「もうちょっと頑張ってみる?」

「........」

「もぅ、どうすんのよー」


"にのみやさぁーん"

電話の向こうでニノを呼ぶ声がきこえる

「....(ぐすっ)し...しごとぉ?」

「え...あ、まぁ、もうちょっと残ってて。
お迎えすぐいきたいけど、ちょっとかかりそう」


「うー.....」


「だから...ね!もうちょっと頑張ってみてよ」


「うー....もぅかえりたぁ...」


「うん」


「だってね...しょうくんね...」


「うん」


「智くんは....ひっく...どんなっ...
靴紐の....結び方....するっけって」


「え?何よその話」

「もう〜おいらが聞きたいよ〜」

「ったく翔さん.緊張してんのかな?」

「そんな感じでもない」

「え?」

「だって、声かけてもぼーっとしてるもん」

「うーん」

「おいらの話なんてこれっぽっちもきいてない」

「おいらの話って何よ」

「好きな人いるのってきいてみた」

「え?あなたが?」

「そう。おれ。」

「いやぁがんばったじゃないのー!」

「ん」

「で、なんて?」

「なんにも。」

「は?」

「だからなんにもって」





「.......ったく翔さん...やってくれるね」










「ねぇ....にの?」

「ん?」

「待ってるから早く来て」

「ん...ごめあと2時間くらい...」

「ぇ.....っ.....ひっく」

「頑張れって言わないからさ、
あと少し!あと少しだけ待てる?
もう今日あなた頑張ったからさ。
いい子で待ってられる?」


「.......ん。」


「トイレで待っちゃだめよ。
ちゃんと翔さんのとこいくのよ。
なんにも言わなくていいから。」


「.........やだ」



"にのみやさぁーん、お願いしまぁす"



「わかった?」



「......やだ」


「はぁ〜。。。」


「...........」



「仕方ないな...じゃぁいい方法教えてあげるから」