2020年、

 














ピン芸人界に衝撃的な情報が流れた。






 










それは、ピン芸人日本一を決める大会、R1ぐらんぷり出場資格の変更だ。















 

今までは、芸歴制限がなく、誰でも出場出来た。















 

しかし、2021年大会からは、芸歴10年以内という制限が出来たのだ。














 

また次もR1で決勝に行く為にネタを作っていた芸人も沢山いただろう。















 

だが、残酷にも、芸歴制限は突如決まった。










 





そして、芸歴11年以上のピン芸人達は、突然目標を失う事になったのだ。

 
















R1で優勝するために芸人になった人もいるだろうし、R1に芸人人生の全てを掛けてネタを作っていた人もいる。










 





え???










 






マジ????
















 

これからどうしていけばいいの????

 














誰もがそう思っただろう。

 













 

だが、

 

 









 



僕は、

 

 










 





よっしゃーーーーー!!!!!

 











 






これでR1から解放されるぞーーーーーーーーー!!!!!!

 

 






 










と思った(笑)

 

 














 

もちろんR1に出れなくなる事は僕にとっても大打撃だ。

 

 












事務所にも入ってないピン芸人にとって、世に出るチャンスは少ない。

 















その少ないチャンスの1つがR1なのだ。






 










そのチャンスがなくなる。






 









それはかなり痛い。






 











しかも、その少ないチャンスで何とか勝ち上がろうとここ数年は僕も必死にR1に照準を絞ってネタを作っていた。
















そして、R1で勝ち上がれるような圧倒的にウケるネタを考える為にライブも減らしていた。






 











だが、そのR1がなくなるのだ。






 










しかし、チャンスがなくなる痛さと同時に沸き上がる開放感があった。















 

それはなぜか?
















 

毎年毎年R1という賞レースがあって、それで何回戦まで行ったとか、何回戦で落ちたとか、その結果で芸人としての価値を判断されていた部分がある。
















 

だが、面白いのに1回戦や2回戦で落ちる芸人もいる。

 















その面白い芸人よりも面白くない芸人が勝ち上がる時もある。(←でもまあ自分の今までの結果は実力通りだとは思う)

 













だが、芸人や世の中は、R1の結果でその芸人の価値を判断してしまう傾向にあるのだ。














 


それが僕は腹立たしかった。















 

所詮R1は1つの番組であって、勝ち上がるかどうかは審査員が決めている。

 














その審査員の好みや、番組にとって必要かどうかで勝ち上がるかどうかも変わって行く。

 













だから、「R1の結果=その芸人の実力」では必ずしもないのだ。















 

芸人によっては、そもそもR1という番組や賞レースに興味がなかったり、他の番組に出る事を目指していたり、テレビ以外で世に出る方法を目指していたり、面白いけどどうせ審査員との相性も悪いし勝ち上がれないし出場しないという人もいる。

 













だが、出場しないとしないで、「逃げている」と思われるのだ。

 














決してそんな事はない。
















 

僕はそういう風潮全てが嫌だったし、クソ喰らえと思っていた(笑)

 















でも、嫌ながらも、数少ないチャンスだし、逃げてると思われたくないし、勝ち上がれないのも悔しいし出場していた。
















 

だから、R1に出れなくなった事で、合法的に「出ない」事が出来るのが嬉しかったのだ。

 












これで出なくても逃げたとか思われない。












 

だって芸歴制限で出れないんだもーーーん!!!!!






 





わーーーーい!!!






 






わーーーーい!!!






 






 

だが、これからどうしていけばいいのか(笑)???

 

 










どうするもこうするもない。






 






 

R1に芸歴制限が出来て、芸人を辞める人もいるだろう。

 











ユニットを組んでM1やキングオブコントに出る方向に舵を切る人もいるだろう。

 












自分にとっても打撃は打撃だが、どうのこうの言ったって仕方ない。

 











所詮は番組なのだ。

 















番組なんていつルールが変わるか分からないし、いつ終わるか分からないのだ。

 















それにうだうだ言ったって仕方ない。

 














て言うかそもそも、僕が芸人を始めた時は、R1自体なかったのだ。

 














賞レースなんてなかったのだ。






 











M1もR1も何もない。














 

そんなチャンスの欠片もない時に芸人になったのだ。

 














そもそも元々なかった物が今なくなったからと言って、芸人を辞めようとか全く思わない。

 














だって元々なかったんだから。











 





賞レースがあろうがなかろうが芸人になっていたし、芸人を続ける。














 

僕は別に、賞レースで優勝する為に芸人になった訳ではないのだ。

 














なのになぜ、たかが1つの番組のルールが変わった事ぐらいで自分の芸人人生を変えられないといけないのか?











そんなどこの誰か分からない大人達の都合で人生変えられてたまるかボケ!という気持ちがあった。















だからそれで引退するとか考えたり、やる気がなくなるという芸人の気持ちは全く分からない。















理解は出来るし、そう思う芸人を悪いとも思わないが、賞レースに命を賭けていた芸人の気持ちを考えると、番組に対する腹立たしさはあった。















芸人を舐めやがって!!

という気持ちはめちゃくちゃあった。
















でもまあ切り替えるしかないのだ。
















もちろん賞レースがあった方がチャンスが増えるからあるに越した事はない。

 













だが、なかったらなかったでそれはしょうがない。

 














こんなどうしようもない理不尽な芸歴制限、そしてピン芸人にとっての打撃、そりゃ辛い。

 















でも、そんなの笑いのネタにするしかないのだ。

 
















打撃だけど、ちょっとテンション上がるぐらいの頭おかしい人間じゃないと芸人なんて続けられないのだ(笑)

 















こういうチャンスがなくなって行く状況。
















 

望む所だ(笑)















 

ヒリヒリするじゃないか(笑)!















 

今の時代芸人も多過ぎるし、チャンスも多過ぎる。

 
















そういう意味では昔よりリスクの少ない仕事になって来ている。

 















就職して働きながら芸人をしている人もいる。

 
















ある程度の年齢まで結果が出なければ辞めて就職するという制限を決めて芸人をやっている人もいる。

 















そうすればまだ何とか人生やり直せるからだ。

 















そうやって保険掛けまくってる芸人が多い。





 











別にそれは全然悪いと思わない。





 










 

だが、

 

 

 













僕はどうだ?????

 

 

 

 













アラフィフだ。

 

 

 

 











もう人生どうにもならない(笑)

 

 

 

 

 












続けるも地獄、辞めるも地獄(笑)



















ヒリヒリするでしょ(笑)????

 

 

 

 












本当は芸人なんてそんなものだったのだ。

 

 

 












僕が芸人を始めた時は、

 

 

 












世間から冷たい目で見られるような仕事だった。

 

 

 












芸人になるというのは、まるで犯罪者や反社になるぐらいの目で見られたものだ。

 

 

 












チャンスなんて全くないし、

 

 

 














売れるか、のたれ死ぬかどっちかみたいな所があった。

 

 

 













もちろんのたれ死のうなんて思ってないし、根拠のない自信があって、絶対売れると思っていた。

 

 












とまあそんなこんなで、















賞レースがなくなった。















状況が変わった事で、僕も今後どうして行くか、色々また戦略を考えて行くきっかけになったのは間違いないのである。







そんな2020年、ナインティナインの岡村隆史が結婚を発表した。