TRASH!この街が輝く日まで | choconuts-coconutsのブログ

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映画が好き(詳しくはない)。
感想が中心です。

最近観た映画、すきな映画の感想です。あくまで個人の感じ方です。
一部、内容に触れる部分があります


「TRASH!この街が輝く日まで」。
予告を観てから、これは観よう!と決めていました。
ブラジルのゴミの山で働く、3人の少年たち。その中のひとり、ラファエルがある日ゴミの山からひとつの財布を拾います。中には鍵やら、数字が並んだ紙やら、謎のものがたくさん。警察は血眼になって探している。見つけたら賞金まで出る。しかし警察を信用できないラファエルは、財布の秘密を自分の手で明かそうとします。格差社会を背景に、警察に追われ、不当に扱われ、それでも少しずつ、真相に迫っていく…。


全編通して、ずっと誰かに追いかけられているような、緊張感があり。
その中で、3人の少年姿が光っていました。
ハラハラ感がちょっと苦手な私が、夢中で観れたのは、人を丁寧に描いていたからだと思います。

まっすぐなラファエル。
諦めず財布の秘密を追いかける。最後に墓地で、少女の写真の前で涙を流したラファエルは、それまでのシーンではほとんど泣いていなかった、はず。少女のことを思ってか?、墓地の場所を教える姿。

最後まで一緒だから、とさらりと言ったガブリエルが好きでした!冒頭の少し皮肉めいた口調と比べると、彼がラファエルを本当に大切にしているのがわかった気がした。

ふたりを支える、行動力のあるガルト。お互いがお互いを絶対に裏切らない安心感。警察から帰った神父さんによりそうガルトの静かな目。
傷を負ったラファエルに駆け寄るふたりの姿。

ボランティアの神父さんや先生も素敵でした。3人は、なんだかんだ、頼りにしていたなあ。刑務所で怯える先生や、財布を警察に渡すように勧める神父さん。警察で叫んだ神父さんが無力や悔しさや怒りや悲しさを噛みしめるありのままの姿。サンドイッチをめぐるやりとりでも、どこまでもいい人~っていう感じではないのが良かった。ガブリエルが書き残した絵を見て本当に嬉しそうなふたりの笑顔。「正しいことだから」という言葉が、最後にラファエルでなくて先生から出ることが、印象的でした。

素敵なシーンがたくさんありました。


社会背景をぼんやりとしか知らないために、それについてはなかなかここで書けないですが…
少年たちの子どもらしさ、大人びた様子、小ささ、たくましさが胸に残る映画でした。
最後に神父さんと先生が起こした行動、ラファエルが最後に銃を撃たなかったこと、3人がお金をばらまいたこと。
わざとらしさとか予定調和感を感じなかったのは、それまでの人物たちの行動をしっかり見ることができたからかな、と。

おもしろい!
というよりも、ひとつひとつのシーンをじっくり見たいような映画でした。


それぞれの人物は、何を「TRASH」だと感じて暮らしているのか、聞いてみたいな~と思いました。

TOHOシネマのプレミアムシート、紙兎ロペの観たことないバージョンのムービー、アニメーション貝社員?などなど、おまけがついてラッキーでした