Rutland Weekend Television (RWT) | CAHIER DE CHOCOLAT

Rutland Weekend Television (RWT)

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エリックが脚本、ニール・イネスが音楽を担当しているスケッチコメディのシリーズ。1975年の第1シリーズが6エピソード、クリスマススペシャル1エピソード、1976年の第2シリーズが7エピソードで、合計14エピソード。『Rutland Weekend Television』となっているけど、BBCの放送で、番組名はITVネットワーク“London Weekend Television”のパロディ。ラトランドは「イングランドで最小のカウンティ(英国の地方区分のひとつ)」で、架空のテレビ局“Rutland TV station”は「英国で最も小さいテレビネットワーク」ということになっている。この設定自体も『RWT』の制作費がかなり少なかったことのパロディ。天気予報に使われるくらいのサイズのスタジオで、ごく少ない予算で制作されたらしい。でも、限られた範囲内でやることのおもしろさが出ているところは『空飛ぶモンティ・パイソン』と同じかと。基本的には毎回異なるプレゼンターが登場して、番組内のコーナーを紹介していくという形式だけれども、必ずしもすべてがそうなっているわけでもなく、「意識の流れ」的に次のスケッチに入っていくところもたくさんある。スケッチの中心メンバーは、エリック、ニール、ヘンリー・ウルフ、デヴィッド・バットリー、グウェン・テイラー。がぜんおもしろくなってきたと感じたのはシリーズ1が後半に入った辺り。特に、デヴィッド・バットリーのボケがどんどん加速して、エリックとのやり取りがすごくおもしろくなっていく。“Incident at Bromsgrove”(シリーズ1 エピソード6)は軍のガード(デヴィッド)と入隊したいにんじん(エリック)のやり取りが最高。画的にもおかしい。茎の部分が下になっていて、腕が出ていない状態のにんじんなのがすごく好き。顔だけ出てるエリックが可愛い。「sprimpo」を求めて家を出た妻(グウェン・テイラー)と彼女が出会う人々の服がどんどん変わり続ける“Sprimpo”(シリーズ2 エピソード4)はかなりシュールでじわじわおかしい。ちなみにその原因は「撮影の連続性が悪いため」。これと同じ回の“Ill Health Food Store”では、笑顔で不健康食品を販売する黒髪エリックのヴィジュアルがとっても素敵だったりする。


にんじんエリック。