発見! 北朝鮮の歩き方(Michael Palin in North Korea) | CAHIER DE CHOCOLAT

発見! 北朝鮮の歩き方(Michael Palin in North Korea)

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旅人マイケルのシリーズも観たいと思いつつ(日記のvolume3を存分に楽しむためにも)、まだまだたどり着けていない……でも、これだけはなんとDisney+にあることに気づいたのですぐに観た。日本語タイトルは『発見! 北朝鮮の歩き方 』となっているけど、違いを取り上げて「へえー、すごい!」とか「わあー、びっくり!」みたいなテンションの番組ではない。原題は『Michael Palin in North Korea』といたってシンプル。マイケルが現地に2週間滞在して色々な場所へいったり、さまざまことを体験したりながら、北朝鮮の人々の日常を映し出し、彼らの内側にあるもの(の一部)を観ている人に伝えてくれる。どこへ行っても終始緊張感が漂い続ける中で、相手を尊重した、優しさを感じるマイケルの距離感やことばの選び方はやっぱり素晴らしい(さすがのthe nicest Python)。それでいて、さりげなくさくっとおもしろいひとことが入ったりするところも素敵。街にいる人々の姿を見ていると、みんなに共通した小さな部分にすぐに気づく。小さくても、やっぱり疑問に思わずにはいられない。そのことをマイケルがガイドさんにたずねると、彼女はずばり「洗脳されているとかいうことではない」とまで言う。けれども、そう言うということは、少なくともそう思われているのではないかということは知っているわけで、それについてどう感じているのだろうか……と思う。出会う人々もみな、少し見る限りでは何か強制されているふうではない。そういった映像を観ながら、ほかを知らなかったら、そういうものだと思うだろうし、それが必ずしも不幸だと言い切れないこともあるのかもしれない、とも思ってしまう。良いかどうかというのはまた別としても。近未来的な形状の高層建築が並んだエリア、パステルカラーに塗られたビル群、1便もフライトがない(つまり乗客がひとりもいない)日でも万全な状態でスタッフが待機しているまっさらな空港、マイケルが「21世紀ではなく、1960年代スタイルの空の旅」と言うレトロな機内(内装だけなら楽しいけど機能もレトロなのはちょっと恐い)……などのかなり興味深い(時にシュールな)光景と、どこかせつなさを感じさせる人々の表情とことば。とにかくとても興味深いシリーズなので、ぜひ。