Nr NeutronとC&A | CAHIER DE CHOCOLAT

Nr NeutronとC&A

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着ていたジャケットを脱いだときになんとなく内側を見たら、「C&A」というタグがついていた。もうすいぶんと昔に買った古着のジャケットで、タグを見てみたことがないはずはないんだけど、あまり気にしてもいなかった。でも今回は「おや?」と思った。最近「C&A」のことをどこかで読んだはず、どこだっけ……数秒間考えて思い出した。『空飛ぶモンティ・パイソン』のスクリプトの本だ。Mr NeutronがMrs Sを美しく変身させるところで、「a brand new C&A twin set」と書かれていたんだった。C&Aは、設立はオランダで本社はベルギーとドイツ(この辺よくわからない。ベルギーだとしているサイトもあれば、ドイツとしているところもある)にあるメーカー。店舗はヨーロッパを中心に展開されていて、今はZARA、H&M、GAPなどと近いブランドイメージ。でも、70年代にはファストファッションなんてなかったはず。高級ブランドほどではないにしても、品質はある程度重視されていたんじゃなかろうか。実際、私のジャケットを見てみても細部まで手が込んだ作りだし、今の時期この下にコットンの半袖Tシャツだけでも寒く感じないくらい温かい(重宝している)。気になってきたのでちょっと調べてみた。Mrs Sが着ているものに近い70年代のC&Aのセットアップの価格は、当時の広告画像に「5.50ポンド」と掲載されている。この金額は当時のベテラン販売員の日当にして3日分くらいらしい。今の貨幣価値だと「70.71ポンド」。日本円にすると「11,000円」ぐらい。今のファストファッションほど安くはないけども(ファストファッションとブランドのコラボとかは別とする)、すごく高いというほどでもない。ほかにも、Nr Neurtronが駅に降り立ったところで手にしていたのはSainsburyの紙袋だった。これもスクリプトに書かれている。Sainsburyは激安でも高級でもないふつうのスーパーマーケット。こういうところでキャラクターの背景もわかるようになっているということなんだろうと思う。このスケッチに限ったことではないけれども、30分ほどのスケッチ1本の一部にこれだけ細かい情報が入っているというのはやっぱりすごい。