ビグルス・時空を越えた戦士(Biggles) | CAHIER DE CHOCOLAT

ビグルス・時空を越えた戦士(Biggles)

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『空飛ぶモンティ・パイソン』などでキャラクター名としてよく出てくる「ビグルス」。1930年代〜1960年代に主に刊行された冒険活劇小説で、1960年代にはテレビシリーズにもなっていて、イギリスでは誰もが知っているくらいのキャラクターだということまではわかった。でももうひとつぴんとこないなーと思っていたところ、1986年に製作されたこの映画があったので観てみた。これがおもしろかった。 メイキングを観ると、「あのビグルス!」って感じでテンション高めのイギリス人と「ビグルス」に特別な思い入れはないようすのアメリカ人との間に少し温度差があって、どういうことなのかもなんとなくわかったような気がする。映画本編は、オリジナルのビグルスの世界(第一次世界大戦中のイギリス)にこの映画のために新たに作られたキャラクターのジムが80年代のニューヨークからタイムスリップしてくるというSFアドベンチャー・コメディ。1917年と1986年という時代の違いに加えて、イギリスとアメリカという環境の違いもおもしろい。両方の時代に関わる謎のキーパーソンを演じるピーター・カッシングがかっこよかった。ストーリーはむだなくサクサク進むし、作品全体が80年代の軽くて明るい空気で満たされている感じがある。中でも、タイムスリップのタイミングを生かしたコミカルなシーンは毎回笑える。写真の修道院のところはかなり痛快、かつ、おかしかった。向かって右から5番目がジムです。



始まってしばらくしたらわかる内容のネタバレになりますが。ジムを訪ねてくる謎の人物は、実は空軍の司令官だったウイリアム・レイモンド。演じたピーター・カッシングがメイキングで「1912年に始まったイギリス軍航空隊のネクタイを(80年代の衣装に使ってもらうように)監督にお願いした」と話していた。そのアイテムで過去との結びつきができるというのが理由。なんて素敵なアイデアなんだ。
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