The Atomic Kid | CAHIER DE CHOCOLAT

The Atomic Kid

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の1955年のヒルバレーの映画館で上映されている映画。『BTTF』のタイムマシンための電流を得るのに核反応を使う案の参考となった作品だそう。最初のドラフトでは、マーティはデロリアンの燃料を入手するために核実験場を訪れる予定だったとか。この『The Atomic Kid』は1954年の作品。偶然実験現場の近くを通りかかり、核実験に巻き込まれて”放射能人間”になってしまった主人公が、FBIに協力してスパイを捕まえるというアメリカのSFコメディ映画。主人公のBarnaby "Blix" Waterberryを演じるミッキー・ルーニーは小柄(160センチ)で、少しハスキーな声と話し方、動きや雰囲気もかなりマイケル・J・フォックスっぽさがある。これを観ると、エリック・ストルツではちょっと違う……となったのもなるほど納得。Blixの友だちのStan Cooper(ロバート・ストラウス)は背が高くて、ふたりが並んだときの身長差はドクとマーティ感あり。Blixにきれいなガールフレンドがいるところもマーティっぽい。この作品は国内向けにはソフトや配信など何もリリースされていないようです。ありえないことだらけの能天気なコメディですが、アメリカの核実験を扱った題材なので、実際日本でリリースは難しいかとも思います。放射能の恐ろしさについてはまったく描かれていません。Blixの心拍数が上がるとまわりのものが溶けたり、電気製品に異常が発生したりするので、Blixは腕時計型のガイガーカウンターを持たされています。でも“放射能人間”というより、“電気人間”くらいの感じ。当時のアメリカでの放射能の認識がこんなだったのだとしたら、恐ろしいと思う。ただ、ストーリーラインとしては楽しくて、キャラクターもみんないい、作品自体は良いんですよね。今観ると核実験である必然性は感じられない。架空の化学物質の爆発実験とかだったらよかったのになあ……と思うけど、これが当時のアメリカの時代の空気だったということなのかもしれません。Amazonのレビューには、「懐かしい!」、「子どものころ、テレビで観た!」というコメントが並んでいて、評価も良いです。今後も日本でのリリースはない、でしょうね、おそらく。