悲しみよこんにちは(Bonjour Tristesse) | CAHIER DE CHOCOLAT

悲しみよこんにちは(Bonjour Tristesse)

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主要人物の5人がみんなある意味「子ども」だった。セシルは17歳だからほんとうに子どもだけど。マチュアな大人の職業婦人として描かれているアンヌですら、レイモンとの婚約が決まったとたんに豹変する。ちょっと笑ってしまうくらいの変わりよう。でもどの人物の子どもっぽさも人の中にはあるものだろうとも思った。少なくとも、私の中にはある。誰からも責められないからこそ心をくもらせることというものも、ことの大きさに違いはあれど、やっぱりあり得ること。時間が解決することもあれば、そうでないこともある。時間が解決してしまってはいけないこともあるかもしれない。セシルとレイモンのお気楽生活はあとどれくらい続けられるのだろう。「セバーグが『勝手にしやがれ』で演じたキャラクターは『悲しみよこんにちは』のセシルの続きだった。プレミンジャーの映画の最後のショットから始めて、画面がだんだん暗くなっていったあと、“3年後”というキャプションをオーバーラップさせて始めてもよかった」とゴダールは言っているそう。なんと。ゴダールは『悲しみよこんにちは』を1958年のベストに選んだというし、ほんとにこの作品が気に入っていたんですね。モノクロの場面でセシルが着ている黒いドレスのデザインがすごく可愛くて素敵。写真の3人のシーン、最初画像だけ見たときはセシルはベレー帽をかぶっているんだと思っていたら、氷のうだった。