title | CAHIER DE CHOCOLAT

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『ユリイカ 』12月号の見本誌が届いた。実際の本を手に取って、ページを開いてみて、一番感じたことは、インターネットというある意味不確かな場所で発生したものがこうして形に残るものになったということが(同志で作成するZINEなどではなく第三者のとりまとめるところにおいてという意味でも)、何か不思議で、でも未来を感じられると思った。そしてそれは私自身が解題で伝えたかったことと同じだった。もちろん意図していたわけではない。私は私自身の原稿のことしかわからないので意図のしようもない。でもとにかくそう感じられたことがとても嬉しかった。個人的なこととしては、肩書きというものが初めてつくことになった。私は肩書きを言うのがあまり好きでない。ティーチングの仕事ではいつも、「教師(teacher)」ではなく、「講師(instructor)」だと言う。実際私がやっているのはやり方を説明したり、ペースメイカーの役割をしたりすることだとほんとうに思うからなのだけれど、おこがましいと感じるからという部分も正直ある。今回は、校正のためにいただいたゲラの段階で編集の方が肩書きをすでに入れて下さっていた。そこに、「お肩書きはこちらでOKですか?」とエンピツで書き込まれていたので、私は「OKです」と答えるだけだった。当然、答える前に考えはした。でもどう考えても翻訳をする人間を呼ぶ言い方がほかにない。「翻訳者」とかちょっとだけお茶を濁したような言い方をしたところで、意味に特に違いはない。そう言っていただけるならそれでいこうと思った。色々な意味でとてもありがたかった。そのほかにも勉強になったこともたくさんあった。今回この企画に参加できてほんとうによかったと思う。発売はあさって、11月28日(木)です。みんながそれぞれvaporwaveについてたくさん考えて、「ああだ、こうだ」と言っている、非常に濃い1冊です。ぜひ手に取ってみて下さい。感想を聞かせていただけたりしたら、とても嬉しいです。