MCDE : 「ミュージシャンのグループの代わりにDJ……となってきているけれど、 | CAHIER DE CHOCOLAT

MCDE : 「ミュージシャンのグループの代わりにDJ……となってきているけれど、

[ORIGINAL]
MCDE : “LES DJ’S ONT REMPLACÉ LES GROUPES, ET C’EST QUELQUE CHOSE QU’IL FAUT COMBATTRE”
PAR ANNE-CLAIRE SIMON
2018-02-16 12:45
http://fr.traxmag.com/interview/45593-mcde-les-dj-s-ont-remplace-les-groupes-et-c-est-quelque-chose-qu-il-faut-combattre



MCDE:ミュージシャンのグループの代わりにDJ……となってきているけれど、それは抵抗しなければならないこと。

ディスコミュージックは、ライブで、フルバンドで、ミュージシャンのグループでプレイされる“べき”ものだ。そこに立ち返ろう。これは、2016年にNuits Sonoresでの彼の“carte blanche”、A Day Withで、Leroy Burgessをステージに招いたときにMotor City Drum Ensembleがやりたいと思ったことだ。その時以来、ふたりは友人であり、今回、数日間のツアーをともにしている。Traxは、パリで彼らに会い、ふたりのジョイントプロジェクトについて、スターシステム(その集客力を当てにしてスターDJを起用すること)について、そして、ライブパフォーマンスのたいせつさについて聞いた。



photo: Motor City Drum Ensemble and Leroy Burgess © Malte Seidel

プロデューサーとして、ハウスDJとして、また、ディスコ、ソウルのファンとして、Danilo Plessow(Motor City Drum Ensemble)は、そのジャンルの中心で光り輝くものをわかっている。彼のアイドル、Leroy Burgessはそのひとりだ。70年代から、キーボードプレイヤー、作曲家、多作のシンガーであり、アイコン的プロデューサーPatric Adamsとともに、Black Ivory、Inner Life、Phreek、Dazzleなどのグループで活動してきた。それらのグループのヒット曲は多くあるが、ライブパフォーマンスをするのに向いているとはいえなかった。MCDEの招待で、Burgessは60歳にして(彼のことばによると“最高の”)グループに囲まれることになった。ニューヨークのスタジオの音、その濃さや深みをすべて再現するためだ。ふたりが熱意を持って、ライブで演奏される音楽の神聖さを冒とくするすべてのことに一石を投じる話をしているのを聞いていると、ふたりは出会うべくして出会ったのだろうと思わずにはいられない。

インタビュー:Lucien Rieul

――2016年にさかのぼりますが、“carte blanche”にLeroyを招いた時にふたりは初めて会ったのですか?

Danilo:そう、Leroyに会ったのはその時が初めて。もちろん、彼の音楽に触れるのは初めてじゃなかったけど。ずっと大ファンだったからね。20年前から!

――最初に聞いたLeroyの曲は何でしたか?

Danilo:たぶん、“Ain't No Mountain High Enough”のリミックスじゃないかな。

Leroy:Patric Adamsと一緒にやったリミックスだね、制作自体は僕ではないけど。Patricはほんとうに僕に色々なことを教え、導いてくれた人で、一緒にやろうって声をかけてくれたんだ。1968年のことだから、1969年のBlack Ivoryの最初のレコードよりも前の話だよ。そのあとしばらくは自分自身のアイデアに集中する必要があって、1977年~1978年にまたPatrickと一緒にやるようになった。それからコンサートやレコーディングセッションの計画を立てるようになっていったんだ。

Danilo:それが最初に聞いた曲で、その次がBlack Ivory、Logg、Dazzleのような彼が作ったたくさんのプロジェクトだね。今回またLeroyと一緒にやることにしたのは、70年代、80年代のアーティストのディスコやソウルを多くプレイするDJとして、基本に立ち返ること、つまり、グループでプレイするっていうことがその背景にある。ライブのためのプラットフォームを作るっていうのがすごくたいせつなことで。というのも、そういう形からどんどん離れていっているように感じるから。Tony AllenがNuits Sonoresの招待を受けてくれていて、その時、もうひとり探していたんだけど、Leroyが受けてくれるかどうかはわからなかった。もうあまり活動していないかもしれないと思っていたし。でも、彼はいつも僕の“最大の”ヒーローで、ソウルミュージックやディスコを僕に教えてくれた人。だから、声をかけてみようと思った。

Leroy:で、このとおり、僕に連絡してくれたんだよ!

――その時、あなたはどうしていたのですか?

Leroy:地元・ブロンクスのハーレムにある家にいたよ。だから、僕らふたりが会うのも、僕がリヨンのSucreに行くのもそれが初めてだった。彼らはリヨンの本物のミュージシャンのグループを集めてくれていて、そのグループと一緒にプレイをしたんだ。

Danilo:ライブミュージックをやるためには、グループ全員を集めるっていうのがとてもだいじなことだった。ミュージシャンの数を減らしてコストをカットしたら、同じ味わいにはならないから。それじゃ同じフィーリングを届けることはできない。2~3人でディスコミュージックを演ろうとしてもうまくいかないよ。スタジオでそういうトラックに関わっている人はもっともっとたくさんいるんだから。

Leroy:あのメンバーは素晴らしかったね。一緒にたくさん笑ったよ。

Danilo:若い世代の人たちには、あらかじめ録音されているDJセットとライブバンドの違いをあまりわかっていない人もいるように思う。一晩で大金を要求するDJもいて……それなのに、20ユーロとか30ユーロくらいのいいライブコンサートにはお金を払いたがらない。実際、なんでライブコンサートにお金がかかるのかっていうことを考えないんだよね。

Leroy:“ライブバンド”のコンサートと比べられるものはないね。似たようなものは何もない。ライブにあるもの、ライブに必ずあるものは自然に出てくるものなんだよ。ミュージシャンたちの間のやり取りなんだ。ライブパフォーマンス中に小さな失敗があっても、みな演奏を続けるし、それがうまくいくっていうことなんだよ。例えば、Herbie HancockがMiles Davisとプレイしていたときのこと。ちょっと長すぎるフレーズだった。MilesはHerbieのほうを見ながら、音をもっと長くしたっていうんだ。「悪い音というものはない。悪い進行というようなものもない。すべてがやり方次第、文脈の中でどう発展させるか、それ次第」だからね。若い人たちは、DJやソロシンガー、バンドなしで演奏される音楽に慣れていて、そういうやり取りを見る機会もない。ここでは8人のミュージシャンが一緒に演ってる、そういうのはほかではなかなかないね。値段はちょっと高いかもしれないけど、最終的に提供されるものにはそれだけの価値があるんだよ。

――DJはそういったことから離れていっていると思いますか?

Danilo:エレクトロニックミュージックがコスト削減のためのある種の言いわけのように感じられることはある。“チープに(安く)”、“シンプルに(単純に)”するためのね。特にアメリカのEDMではそうだと思う。それは新自由主義的な構造で、人々の賞賛を受けているけど、DJが飛行機で移動してホテルに滞在する、そういうことに出費をしてる。それはミュージシャンのグループを犠牲にして行なわれていることで、僕たちは抵抗しなければならないことでもある。

Leroy:そう、“チープに”っていうのは正しいことばだね。ショウでお金もうけをしたい多くのプロデューサーはグループよりもソロを使いたがるんだ。でもそれは聴く人の音楽体験を傷つけているだけなんだよ。キーボードプレイヤーやベースプレイヤーやシンガーをライブで聴ければ、ずっと価値のあるものになる。そういう演奏や体験を通して、音楽を作り上げている要素っていうものを理解できるんだ。そういったことはみな、自分自身で構築していく音楽を知る経験、音楽体験からくるものなんだよ。

――こういった完全なライブパフォーマンスを行なうことはありましたか? あなたの有名な作品の多くは“スタジオバンド”とレコーディングされた、ツアーで行なうことは想定されていなかったものだと思うのですが。

Leroy:そうだね、とても珍しいことだよ、ほんとうに。だから、とてもたくさんの人たちと一緒にプレイするっていうオファーをもう一度受けて、かなり驚いたんだよ。しかも、今まで一緒に演った中で最高のバンドだよ!

Danilo:ディスコミュージックはもともと完全にスタジオの中だけで作られたジャンルで、レコードにプレスされることになっていただけだったし、必ずしもライブで演奏されるものではなかった。今、こういうディスコのリバイバルがきていて、僕たちは“ほんとうの音楽体験”っていうものの良さを正しく評価しなければいけないと思う。レアすぎるものではあるけど。80年代にParadise Garageに行ったことがなければ、そういう場所に行く機会ももうなかなかないだろうけどね。

Leroy:でも、そういう場所でも同じだったよ! 僕はニューヨークのほとんどのクラブでプレイしたことがあるけど、彼らはたいてい僕のところへきては言うんだ、グループの“中心メンバー”だけでプレイしてくれないかって。

Danilo:僕は悲観的すぎるって言われることがあるんだけど、新自由主義は今の社会のあらゆる側面にくっついてきてると感じていて。音楽は神聖なものだし、何年もの間そういう考えからは除外されてきていたけど、今は“アンダーグラウンド”と呼ばれる領域もビッグブランドに侵略されてて、なんでも買い取られる! だから、そういう一見もっともらしい考えに抵抗する何かをやることがたいせつだと思う。みんなに価値のある体験をしてもらうためにね。

――意に反することかもしれませんが、スターシステムはあなた方のようなDJに恩恵をもたらしているとも思います。(アーティストによる)レコードのセレクトの次には、アーティスト自体のセレクトが行なわれるという段階になるのでしょうか?

Danilo:僕が今回この機会を得られたのは、特定のファンベースや興味を持ってくれるオーディエンスがいてくれるから、というのは確かにそうだと思う。でも、お金のことは別として、15年間DJをやってきて、そういった人たちに感謝の気持ちを伝えるお返しをしたいと思っているから。あと、僕は自分のことを“キュレーター”だとは思ってない。最近流行ってることばだけど、実際のところ“ブランディング”、つまりはモノを売るための考え方だと思うし。僕たちはアーティストの経済的支援になることをしなければならないけど、それは心からのものでないとね。

Leroy:みんなちょっとしたコツをつかんで、ライブで楽しむ、それが音楽のほんとうの姿で、音楽の価値なんだよ。DJでも、ライブ編成でも、そこにはみんなの居場所があると思う。DJもライブバンドも欲ばりすぎてはいけないけどね。ほかより優位に立とうとしたり、蹴落そうとしたりしてはいけないよ。みんなに開かれていると、音楽はもっと良くなるんだよ!






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Worldwide FMでもLeroy Burgess氏のインタビューの回があって、すごく良いお話……と思っていたので、一部だけでもインタビュー記事が出ていて嬉しいです。ただ、このサイト、フランス語版と英語版があるのですが、どうもコンテンツは同じではないらしく、英語版のほうにこのインタビューを見つけられませんでした。ということで、例によって、仏→英→日の重訳です。仏→英のところはグーグル先生です。おかしいところは一応調べてフランス語から訳したりもしていますが、やはりざっくりだと思っていただければ。MixcloudにアップされているWorldwide FMの放送もリンク貼っておきます。ぜひに。インタビューに合った曲をダニロがセレクトしています。これがまたものすごく良いんです。ほんとに美しく合っていて。ダニロ、いつか素敵な映画のサントラのお仕事とかやってくれたりしないかしら……と思ったりもします。

When I listened to the interview with Leroy Burgess on Worldwide FM, I thought there were a lot of good stories. So I am glad to read a part of it as an article as well. This website has both French ver. and English ver, however, apparently their contents are not the same and I couldn't find this interview on English ver. So this translation is FR → EN → JP, and FR → EN is done by Mr. Google. As for the parts I felt weird, I checked into a French dictionary and translated from French, but I'm happy if you enjoy this translation as something like a summary. I also put URL of Mixcloud here. In this show, Danilo "accompanies it with music that seems fitting as well as a lot of his (Leroy's) own music", and it's so good. So fitting beautifully. By the way, I wish he will choose music for OST of a nice film someday in the future...!

State of Rhythm: Danilo Plessow (MCDE) with Leroy Burgess // 28-11-17
by Worldwide FM
https://www.mixcloud.com/worldwidefm/state-of-rhythm-danilo-plessow-mcde-with-leroy-burgess-28-11-17/




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