Une Aventure de Billy le Kid / A Girl Is a Gun | CAHIER DE CHOCOLAT

Une Aventure de Billy le Kid / A Girl Is a Gun

IMG_9380.JPG
「ビリー・ザ・キッドの冒険」。ジャン=ピエール・レオの西部劇ですよ~。わくわくで観始めて数分でなんか違和感。「???」……「!」 こ、これは英語吹き替えだー。もちろん何もなしでフランス語オンリーだとわからなくなってしまうから、とてもありがたいのですが、声が、声が、西部劇のおっさんの声~! しかしそれでもレオはめっちゃレオ! やたら髪をかきあげるしぐさとかスタスタ歩く姿とかわーわーしゃべるところとか(声は西部劇のおっさんだけども)。当て書きなのかしら?とすら思います。西部劇なのに連れてるのはロバだったり。小柄なレオとロバのツーショットとか、もう可愛いすぎるーーーー!! 「低予算と登山(←リュック・ムレ監督の趣味)」がテーマというこの映画、不思議な作品でした。観ていると、だんだん何がまともで何がまともじゃないのか、わからなくなっていく。自分のいるところが自分のものさしを作っていく。環境で人間は変わる。そういったことを濃縮還元して短時間で見せられている気がした。『ヴィーナス・イン・ファー』や『ウイークエンド』とちょっと共通するものあるかもしれない。でもその2作品よりさらに怖かった。昼間の屋外のシーンばかりだし、コミカルなところも多いし(これまた本人は真剣なゆえのおかしさで良い)、残酷なシーンも一切写っていないんだけれど、逆にそれが恐ろしさを際立たせる。白々とした怖さがリアルに迫ってくる。でも、嫌いじゃない。また観たくなりそう。眠れない夜に。