ふたりのヌーヴェルヴァーグ | CAHIER DE CHOCOLAT

ふたりのヌーヴェルヴァーグ

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ゴダールとトリュフォー、そしてふたりを父親にもつ(もちろん映画における育ての親という意味で)ジャン=ピエール・レオの映画。ふたりの監督がデビューし、“新しい波”を巻き起こし、決別するまでを、色々なエピソード、当時の映像、さまざまな映画のシーンを織り交ぜながら描くドキュメンタリーです。まず、少しずつとはいえ、『中国女』(作品内の部屋は、ゴダールと主演のアンヌ・ヴィアゼムスキーが実際に暮らしていた部屋だったなんて!)、『男性・女性』、アントワーヌ・ドワネルシリーズなど、たくさんの作品をスクリーンで観ることができたことに感激! 何度もDVDで観ているけれどもやっぱり新鮮で、嬉しくて、思わず映画館の暗闇の中でひとりにんまりしちゃったり。でも、最初はお互いを励みに、時に協力したりしながら作品を作っていった仲良しのふたりが、少しずつ方向性や考え方に違いが出てきて、最終的にけんか別れしてしまう……その過程を見ていると寂しくなってきました。(同時に、どんなに仲の良い人でも、どうしようもないこともある……というのもとてもよくわかる) それより何より、大好きなふたりの「父親」の間で苦しんだ「息子」レオのことを考えると、ラストでは泣きそうになってしまいました。実際、当時レオは精神的バランスを崩してしまったということですから。それでも、その後復帰し、現在も現役で活動しているレオ。きっとゴダールも彼の活動を見ているだろうし、トリュフォーも見守ってくれていると思います。エンドロールの『大人は判ってくれない』のオーディションを受ける少年レオはほんとに可愛いなあ。