A Bout de Souffle | CAHIER DE CHOCOLAT

A Bout de Souffle

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実は初めて観ました。ゴダールもトリュフォーもとても好きですが、それ以前にまずジャン=ピエール・レオが好きで、レオ出演作が私にとってプライオリティが高いので、まだ観ていない作品も多々ありまして…この“勝手にしやがれ”もそのうちのひとつでした。内容は例のゴダール的なぐだぐだ(←ほめ言葉)ですが、当時としては衝撃的だったという軽やかなカメラワークや編集方法、それから、ファッションはやはり特筆すべきものだろうと思います。“New York Herald Tribune”社のロゴ入りTシャツとサブリナパンツを着たパトリシア(ジーン・セバーグ)と細身のパンツスーツにソフト帽のミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)が並んで歩くシーンはポストカードなどでも有名。このスタイルをはじめとして、ミシェルといる時のパトリシアのファッションは意図的にユニセックスなものにしてあるそう。そうでないシーンでの彼女はセーターにプリーツスカートなど平凡なスタイル。そうすることによって、ミシェルのガールフレンドとしてのパトリシアは「自由に好きなものを好きなように着ているフレッシュな子」に、他の男性と一緒にいるときは「常識的でつまらない子」に見せているらしいのです。なるほど。確かにミシェルといる時の彼女の方が魅力的なのは一目瞭然です。後半のシーンでのパトリシアは、ぱりっとした素材にボーダー柄(モノクロなので残念ながら色はわかりません…私の中ではホワイトとライトブルーのボーダー)のディオール風ドレス。ゴダール映画について書かれた本では、このドレスも「つまらない子」ファッションの方に入れてありましたが、私はそうは思いませんでした。ドレスというアイテムは確かにそちら寄りかもしれません、でも素材と柄はミシェルのシャツを思わせるような感じ。ということで、ミシェルと逃走しつつも警察に通報してしまうパトリシアのどっちつかずな気持ちを表わしたかったのでは…というのは考え過ぎかなあ?