久しぶりにブログを書きます。

 溢れる想いを形にせずにはいられませんでした。

 

▼本日13時に多くのスフィーダサポを震撼させた公式ニュースリリース

【2023/12/23 スフィーダ公式】 引退選手のお知らせ

 

 年齢的にそろそろなのかな、でも嫌だな、まだまだ魅せて欲しいな――と思っていた選手も居れば、嘘でしょ、まだまだやれるじゃん、早すぎだよ――と驚かされた選手も居ます。ただ共通して言えることは、彼女たちが居なければ2020年の2部優勝も、2022年の1部優勝も無かったよということ。これまで本当にありがとうという気持ち。なでしこリーガーとしてのキャリアを、スフィーダで始めてくれて、スフィーダで終えてくれてありがとうという想い。もう感謝しかありません。

 

 直接喋ったことない選手も居ます。ショコラの独断と偏見と、断片的な偏った記憶によるものが多いですが、この四人について振り返って行きたいと思います。

 

【背番号15→5 渡辺瑞稀】

 川邊GM(当時監督)と同じ国士舘大学出身。GMが当時のブログで「どうしてもどうしても獲得したかった選手」と書いていたのが記憶に残っています。

 最近スフィーダを観始めた方には、DFラインに絶対に欠かせない選手というイメージが強いでしょうし、スフィーダの盾、鉄壁、重戦車なんて言われてたりもしますが、入団時はサイドアタッカーでした。

 

▼以下はこの七年のみっちゃんの出場試合数(七年通算113試合)です。

2017(2部6位):14試合
2018(2部8位):9
2019(2部7位):8
2020(2部初優勝):18(フル)
2021(1部準優勝):20
2022(1部初優勝):22(フル)

2023(1部4位):22

 

 二年目と三年目、ベンチにも入らない日々が続きました。そこでセンターバックへのコンバートがありました。本人曰く「ヘディング出来ないからDFは嫌だ 笑」みたいなことを当時は言っていたらしいですが、そこから自分で道を切り開いて唯一無二の居場所を作ったみっちゃんは本当にカッコイイ! 四年目からの四年間は本当に「みっちゃんが居なかったらヤバい、今みっちゃんが怪我で離脱したら終わる!」くらいに声出しサポの中ではずっと言われてました。とても強いメンタルの持ち主で、チームの柱のような存在でしたね。今年の皇后杯三回戦メニーナ戦、1-0でリードはしていたものの苦しくてみんなの足が止まりかけてた90分からのアディショナルタイム「ねえ、最後歩かないでっ!」ってみんなに喝入れてた声が頼もしくてカッコ良くて、震えました。

 実は去年バモ美キャプテン(野村智美)が引退した時に、私は次のキャプテンはみっちゃんだと勝手に確信していたんです。今年の第2節、3/25の大和シルフィード戦の実況を担当した山﨑雄樹アナによれば「今シーズンは当初樫本芹菜にキャプテンの打診があったけれど、今後のスフィーダのことを考えるとユース出身の選手のがクラブを担っていった方が良いと思い、樫本選手が柏原選手を川邊GMや神川監督に推薦した」とのことですが、ひょっとしたらみっちゃんも打診されていて、けれどあと一年で引退することを既に心に決めていて、それでキャプテンを断ったんじゃないだろうか――なんて今思えばですが、そんな風に思ったりもしています。推測の域を出ませんが。

 

 実は約三年前、2021年の1/30に元競輪選手――中野浩一さんのラジオにみっちゃんが二日連続で出演しました。その時はなでしこリーグ2部で優勝して間もない頃で、みっちゃんは当時の気持ちをこう語っていますました

 ――入った年から成績が良くなくて……今年ようやく。嬉しいって気持ちが一番強すぎて、泣いちゃうかなって思ったら喜びのが強くて、涙も出ず……でした。PKとかトーナメントで勝ってたら涙が出たかも、でも積み上げて来た喜びのが強くて……上位3チームまで接戦で、私たちが負けたら3位のチームが優勝してもおかしくない、そんな状況でした。最終節の相手のASハリマアルビオンは0-3で負けてたチーム(第1クール:第13節 ウインク競技場)で、「(同じ相手に)二回負けない」ってことが出来てたリーグ戦だったので、勝てて良かった! その試合では原志帆キャプテンの引退が決まっていたので、勝って全員がキャプテンに駆け寄りました。

 

 当時ラジオを聴きながら文字起こしをして保存していたこの文章を読み返し、私もまた泣けてきました。コロナが流行ってリーグ開幕が七月後半(しかも第1節と第2節は無観客のリモートマッチ)となった2020年、声出し応援は勿論のこと、ハリセン応援も出来なかった異例の年。選手チャントは勿論、コールも出来なかった年。新しく加入した選手の個人チャントも全部用意していたのに一度も披露出来ないままチームを去った選手も居ました。この年、初めて全試合フル出場を果たしたみっちゃん、前述の各シーズンにおける出場試合数を見ても、みっちゃんの進化と共にスフィーダの大躍進があったと言っても過言ではありません。
 

 ラジオ二日目では、今はアマチュア日本一を目指してますと答え、ラジオの最後の締めくくりにも、2021年アマチュア日本一を目指す!――そう言い切って番組が終わりました。アマチュア日本一(なでしこリーグ1部優勝)を成し遂げたのはその翌年の2022年だったけれど、2022年、2023年、スフィーダで唯一、二年連続ベストイレブンを獲ったみっちゃん……最後の花道はあまりにもカッコ良くて、見事で、引退コメントでは「ファン・サポーターの方が私のことをあんな選手いたなと思うくらい、これからみんなが強くなってクラブを引っ張っていくに違いありません」なんて言ってますが、私の中ではみっちゃんが居てくれた七年はあまりに鮮烈過ぎて、チームに残った選手たちが強くなって貰うのは勿論そうあって欲しいのですが、みっちゃんのことを「あんな選手居たな」だなんて、そんなこと言えるはずがないです。

 

 国士舘大学卒業時にサッカーを続けるか悩んだというみっちゃん。在学時に、東京都のリーグでスフィーダユースとの対戦機会があったらしいんです。

 ――その時にユースのコーチが私のプレーを見ていてくれて、それが入団のきっかけになりました。震災を経験していたこともあって、本当は卒業したら福島に帰ろうと思ってたんですが、親はサッカー続ける姿を見たいって思ってたらしいです。

 ラジオではこうも語っていました。この時のユースのコーチは楠本さんでしょうか、そこから川邊GMに話が行ったんでしょうか。詳しくは分からないけれど、ここでみっちゃんを見つけて熱烈にスフィーダに呼び込んだ川邊GM本当に良い仕事をしてくれたと思います。勿論、出場機会に恵まれなかった数年で腐ってしまう選手だって居るし、諦めて競技を辞めてしまう選手、環境のせいにして外に出て行く選手だって少なくはないです。この道を切り開いたのは他でもないみっちゃん本人の努力と根性なんですよね。

 

 先日の皇后杯五回戦、ベレーザとの死闘で惜しくも敗退したあの日のこと。ゴール裏に挨拶に来たスフィーダイレブン、その中でユニの裾で必死に涙を拭って嗚咽混じりに喋っていたかっしー(柏原美羽)キャプテン、その向かって右側に立っていたみっちゃんは笑いながら優しくかっしーの背中を擦ってあげていました。かっしーの涙の理由のひとつが自分の引退であることも分かっての、あのみっちゃんの顔だったんだと思うと、今もなお、こみ上げてくるものがあります。でも、やり切った顔してたなあ。日本の女子トップリーグの王者ベレーザ相手に、みっちゃん、見事に攻撃陣を封じて、ラインコントロールして、本当に立派だったもん。

 

 

 ――好きなサッカーをこのクラブで終える。 

 こんな幸せなことはありません。

 ありがとうございましたニコニコ

 

 本日のクラブの公式リリースを引用して、Twitterにてこう述べたみっちゃん。

 私たちこそ、みっちゃんのスフィーダ入団から引退までの七年間、みっちゃん伝説をこの目に焼き付けることが出来て本当に幸せでした。本当に今までありがとう。

 

 

 

 聞いて下さい。

 四人の選手について書くつもりで、でもあかにゃん(長﨑茜)についてはかなり長くなりそうだから、みっちゃん+さつき+紗矢香とあかにゃんで前後編に分けて書こう――そう思っていたんですが、二時間半書いてもみっちゃんしか書けませんでした。ゆっくりまったり書きますね。今夜はみっちゃん一人で終了です。おやすみなさい。