父が悪性リンパ腫に罹りました。
すでに治療を終え寛解し、
ブログに書く余裕ができたので、
ここ数ヶ月の出来事を振り返ろうかなと。
なんとなく解っていたというか、事前に聞いていたというか、
家族が血液内科に呼ばれた時点で確定なのですが、
癌でも本当にあっさり、
「風邪ですねー」くらいな感じで告知されました。
そして治療方法とか、使う薬とか、副作用とか、注意点の説明を伺い、
見つかった病院では治療できないので、
転院先とか、入院スケジュールとか、一気に詰めて話し、
30分ほどで全てが決まりました。
(よし、これからだ。)
診察室を出て、
両親に「聞き忘れたこととかないか?」確認すると、
「しばらく生物食べられないなら、
お昼にお寿司を食べて帰りたい。」
と。
。。。
色々話した中で、気になったのは、
抗がん剤治療中は免疫力が落ちるので、
できるだけ生物は避けたほうがいい、ということらしい。
今回両親は、
娘たちに話すまでに、相当考え悩んだと思いますし、
母とか本当に落ち込んでいました。
でも告知後の第一声が、
「お寿司食べとかなきゃ。」だったという。
この言葉を聞いて、ちょっと安心したというか、
(あ、治療大丈夫だな。)
と思いました。
その後も、
私の誕生日に買ってきてくれたケーキを、
父もパクパク食べていて、
(生クリームは、“生”ものだよー)
と思ったり、
夕飯にでてきた生春巻きを、
(揚げて欲しかったなー)
と思ったり。
食べ物関係のネタは、結構ありました。
…というか、続きます。
そんなこんなな数ヶ月を過ごし、
治療終了後、
再度、両親について病院に説明を聞きに行きました。
この日はとても混んでいて、
血液検査や、心電図ひとつとっても、1時間ほど待つとか、
4時間以上病院に居ました。
途中で父が、
「ウィンナーパンの焼き上がりが1時だから、
ちょっと(病院内にある)パン屋さん行ってくる。」
とか、
なかなか帰ってこなくて、ラインしても既読にならず、
やっと会えたと思ったら、
「電池切れてるから、(スマホを)家に置いてきた。」
とか、
もうマイペース全開です。
…全く++
そして、やっと診察です。
主治医の先生、
「良いご報告ができます。寛解しています。」
と。
ほっとしたというか、やれやれと。
治療前・治療後の、PET検査の画像を見ると、
腫瘍が綺麗に消えていて、
一部の癌の治療成績が、どんどん上がっている事を実感し、
適切に対応すれば、癌は恐れるものではないと思いました。
父。
「髪が抜けるくらいで、何もなくて、
強い薬を入れている気がしてなかったのに、
ちゃんと効いてるんですね。」
そう、副作用がほぼありませんでした。
一般的にいわれる、吐き気とか食欲不振とかもなく、
ちょっと疲れるかも程度で、
普通に生活していました。
主治医「髪は2〜3ヶ月もすれば生えてきますよ。」
父「フサフサになるかな。」
主治医「元の量よりは、増えません(笑)」
…余裕だ。。
何か質問はありませんか?と聞かれても、
「爪がでこぼこしちゃって、
カマボコ型じゃなくなった。」
。。。
70過ぎのおじいちゃん、
気にするのが、髪に爪にと、容姿のみって、
娘は(もういいじゃん!)という気もするのですが、
というか、(爪が“カマボコ”って何?)とか、冷静に 思うのですが、
本人は気になるらしい。
そんなこんなで治療が無事終了、
あとは2〜3ヶ月に1回検査をして、
経過をみていくこととなりました。
父がお世話になっているのは、
VIP棟がある、芸能人がお忍びで治療に訪れるような病院です。
VIP棟は、途中の階は入れないとのことですが、
最上階のレストランだけ、一般患者も行くことができます。
説明を聞いた後に、そのレストランに、
両親と3人でご飯を食べに行きました。
噂どおり、かなり美味しい。
抗がん剤治療は初回のみ入院で、2回目からは通院でした。
その間、
父は毎回、点滴終了後に、
ここでご飯を食べるのを、
楽しみにしていたとのことです。
食後のデザート。
「ここはアイスがすごく美味しい。
でも生クリームがいまいちだから、
パフェとかじゃなくて、アイス単品にしたほうがいい。」
父、本当に色々と楽しんでたのだなと。
本人や母親は、色々考えていたとは思いますが、
でも抗がん剤治療中とは感じないくらい、
本当にのほほんと見えました。
両親はしっかりしていそうに見えるのに、どこか天然というか、
時々、(大丈夫?)と心配になるのですが、
でも最終的に、しっかりしているので大丈夫という。
しかし。
疾患に罹った時の気持ちの持ち方って、重要というか。
「お医者さんだから、悪いようにはしないでしょ。」
が基本的な考え方、
「聞いたって解らないし。」
と、全てお任せで、自分たちであまり調べることもしない。
よっていらない情報とかを目にせず、
あまり深刻にならなず、
考えすぎない、思い詰めないのが、良かった気がします。
抗がん剤でノーダメージとか、
今まで聞いたことはありませんでしたが、
飲んでる薬の名前は覚えていないのに、
院内のパン屋さんの焼き上がり時間は把握しているくらい、能天気だと、
副作用も気が付かないのかもしれんぞ!と。
そんなこんなの、我が家の出来事でした。