ほぼ毎日、私が誰なのかを母に聞いています。


嬉しそうに 「母!」 と言う日もあれば、「姉」、「妹」 とバラバラ。

たまに 「娘」 と言ってくれることもあります。



本当に、たまに…になってきました。






母は父のことを、たまに 「生きている」 と認識しています。



    今日は一回もお父さんの顔を見てないけど、もう仕事に行ったん?



そうだと言えばいいのですが、せめて母が愛した父のことだけは本当のことを理解しておいてほしいから、このことに対してだけは、私は真実を言います。



    私:もう30年も前にお父さんは死んだよ


    母:え!なんで?




病気で亡くなったことを話すと、残念そうにしています。

でも、なんていうのかな。
普通、最愛の家族が亡くなったと分かったら、すごい衝撃で絶句する、あるいは泣くというものじゃないのかなと思います。

母は 「え!なんで?!」 と驚きはしますが、特に感情を高ぶらせることもなく、ただ残念そうに 「まぁ、知らんかったわぁ」。



認知症って、記憶が壊れていくけど、そういった感情の起伏というか、突発的なことに対応できなくなってくるのかもしれません。




それから、母は日々私に 「おばあちゃん(私の祖母)は?」 と聞いてきます。

自分の母親に会いたくてしかたないようです。



祖母はもちろん、とうの昔に亡くなっています。
実家は京都なので 「ここは大阪だからいないよ」 というと、「あぁそうやったなぁ」 と残念そうに言います。


「また、元気になったら、会いに行こうね」 となぐさめると、「病気もだいぶ良くなってきたし、あともうちょっとやからな」 と嬉しそうに笑います。







おばあちゃん。
一回でいいから。
一回だけでいいから、夢に出てきてあげてね。