りさぽん
灯火 続きです。
由依side
なんとなく、眠たいような眠たくないような朝を迎えて、いつものように朝ご飯がてらに温めた豆乳を飲む
昨日の夜、なに食べたっけ
疲れて帰ってきて、とりあえずお風呂入って、色々することをして、、あ そのまま寝たのか。
ちゃんとしないと、とは思ってるんだけどね。
よし、
行ってきます
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「おはよう〜」
「おはようございます」
練習室にメンバーが集まってきて
みんなそれぞれにダンスレッスンの準備をする
「おはよう」
「あ、理佐、おはよう」
「今日天気いいね」
「ね。花粉症やばい」
「私も。由依今日撮影だっけ?」
「そう、もう緊張しちゃう。ふふ」
「がんばろうね」
「うん」
みんなの準備が整って、
レッスン始めます〜〜
という声を合図に新しい振り入れが始まった
ここ最近の楽曲のフォーメーションは、
ずっと理佐と対照だから話し合うことも必然と増えた
他の仕事でも同じことが多くて、一緒に過ごす時間は
他のメンバーとは桁違いかもしれない
「ねえ由依、ここの振りもう一回合わせよう」
「わたしもそこ思ってた、難しいよね。」
「うん、じゃあここから」
「ごめん、わたしが遅れてる。っ?どうしたの理佐」
なかなか振りが合わないで苦戦していると
理佐が私のおでこにいきなり手を当ててきた
「由依しんどい?なんかいつもと違う」
「え、全然、なんか…ごめん。」
「いっかい休もう?」
「大丈夫だよ、ごめん、もう一回ここ合わせたい」
「う…ん、わかった。何かあったら言ってね」
「わかった。ありがとう理佐」
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「はーい、じゃあ今日はこれで終わりにします。
お疲れさまでした〜〜〜」
「お疲れ様でした」
「おつかれ、撮影がんばってね」
「うん。おつかれ、また明日」
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ここ最近の由依は辛そうな顔をすることが多い
他のメンバーの相談にのることは多いけど、由依からは話しを聞くことがなくて、自分のことあんまり話したくないのかなと勝手に思っている。
でも由依は、自分に厳しいから、
声をかけないだけでいつも心配。
それに、由依に対して特別な感情を抱いている私は、
誰よりも頼って欲しいと思ってしまう。
全体練習が予定より早く終わったから
30分ほど一人で自主練習をして、
帰ろうと歩いていると、廊下の隅から誰かの声がした。
この声は、、由依?
覗き込むとドラマのシーンの練習をしている由依がいた
「……由依?」
「わっ!理佐?まだいたの?」
「うん自主練、って由依撮影は?」
「少し時間できちゃったから、練習」
「そっか、緊張するよね」
「うん、ほんとに、」
「今日どんなシーンなの?」
「何か難しいんだけど、昔のこと思い出して、自分のこと追い詰めちゃうんだ。その表現がうまくいかなくて…ふふ。何回練習するんだってね、感じ。」
「難しそうだね」
「でしょ」
「うん、」「由依、無理してない?」
「どうしたの?理佐こそなんか変だよ今日」
「だって」
「大丈夫。わたし子どもじゃないし」
「昨日、ごはん食べた?」
「たーべーたっ、お母さんじゃん理佐。心配しすぎ」
「なら、いいんだけど」
「私そろそろ行かなきゃ、理佐も自主練お疲れさま。じゃあ、また明日。」
「うん…由依!頑張ってね!」
大袈裟だよって顔で笑ってる由依を見送って
わたしも帰る方向を向いて歩き出した。
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