「気になるから、パパにもう一回電話する」


電話の向こうから聞こえた女性の声と、

いきなり電話を切った父親に疑問を拭えず、

娘は夫に電話を掛け直した。


「パパ? …うん、そうなの?

うん、うん。 …わかった!」


短い通話だったが、

納得したらしい娘は、

すっきりした様子で電話を終えた。


「パパ、今、飲み会なんだって」と、

私に教えてくれた。


週半ばの平日の夜。

夜の9時半頃。


珍しい飲み会のパターンだなと思いつつも、

私は変な疑問を持つこともなく、

「そうなんだねー」と娘に答えた。