真っ暗な部屋の中に、スマホの煌々とした画面だけが白く浮かび上がる。
ハムスターは滑車を回る。
私はまた、自分がした過去のあやまちについて考える。

まどろみの中ぼんやりと意識が戻る。
また昨日の下着や服を身につけたまま気を失っていたようで、身体のあちこちが鈍く痛い。
起きた時の涙でよれてしまった化粧をアイメイクリムーバーで落とし、クレンジングジェルを顔に塗る。
ジェルを落とす時に濡れた前髪や顔周りの髪の毛を顔と一緒にタオルで拭いて、二度寝の体勢に入る。

エスカレーターの20段くらい下を降りている人の髪が1段降りる毎にふわっふわっと羽のように広がるのを見て、あれは電車の突風でああなっているのか、それとも1段1段の高低差で生じているものなのかと意味もないことを考える。
バスの窓に付いた雨粒が街灯の光を受けて煌めいて、雨の日も悪くないと私に思わせる。