お金をかけずに、どこか行きたいよねと言って2人で新宿のブックファーストで青春18切符の本を読みながら計画した旅行だった。
たしかあれは三月で、夜行列車の中はすごく冷えていた。寒くて寒くて一睡もできない夜だったけど、そんなことより隣の彼氏と旅行中ずっと一緒にいられることが嬉しくて、眠れなくたってどうでもよかった。
名古屋駅に到着したのが早朝で、行く場もなくて朝マックで時間を潰すことにした。
名古屋という地名を聞くと、あのときの旅行と朝マックが、必ずセットで頭に浮かぶ。
こういう記憶の紐付きがたまらなく好きだ。
その彼と別れてから青春18切符は使ってない。
これから先も使いたくない。
彼にも使ってほしくない。
私と彼の思い出を上書きしてほしくない。