去年の夏、メンエスのルームがある

都内の繁華街で元カレを見かけました

混雑している改札付近で見覚えのある顔

とっさに私は隠れました笑

いや、別に悪い事をしているわけではないし

隠れる必要もないのでしょうが

バッタリ会ってしまったところで

何も生まれないし

もう互いに結婚しているし

このまま景色の一部として通り過ぎるのが

良い気がしたのです


彼と知り合ったのは懲役から出てきて数日後

一回り年上の友人と久々に会った時に

友人にうちの長男と紹介されました

ちょい長い懲役から出てきたばかりなので

リハビリ的な感じで食事や飲みに行く仲に

なったのです

友人は懲役は4回

女子にしては多いですね笑

息子は少年院に懲役というお決まりのコース

私も似たり寄ったり

彼も出てきて一年位だったのかな

昼職していました

私もすぐに中でとった資格を使うべく

介護施設の面接に行き翌月から働き始め

社会に馴染む、慣れるというのは

私のような人間には初めてでなかなか大変

先に経験している彼は何かと気にかくてくれ

毎日のように電話をくれて話を聞いてくれ

休みには出かけたりしていました

そのうち男女の仲になるのですが

ある日、彼の家で掃除機をかけていたら

私のではないカラコンが落ちていて

持っていた掃除機で彼をいきなり

叩きつけました

いきなりがポイントです

察知されたら負けるので

刑務所で散々やったアンガーマネジメント

あれはどうした?

なんなら介護施設でもやってるぞ笑

妹みたいに可愛がっている○○が来たから

それだと思う、と

彼はその子に電話して代わりました

お兄ちゃんに話聞いてもらいに行っただけで

誤解させるような事してすみません、と

30半ば過ぎの私がハタチやそこらの子に

そんな事言われてなんか馬鹿らしく

なっちゃったんですよね

もうどうでもいいじゃないかと

数年後、彼はこの子と結婚して

今は二人の子供のパパになっているようです

これで良かった

本当にそう思います

私も夫といて幸せですし

思えば傷舐め合っていただけなんですよね

きっと

お互い出てきて今までとは違う生活を夢見て

実際に社会に出てみたら半端やってたハンデ

があるわけです

私も彼もマトモな仕事なんかした事無かったし

職業犯罪者なわけで

いつか来る懲役は覚悟の上で遊んで暮らして

いたので出てから世の中の人とのズレを

感じながらも修正する努力をしている

でも、こんな事は誰にも言えない

わかってもらえない

新しい世界では懲役の話なんか出来ません

当たり前のことが当たり前に出来なかった

私たちは私たちにはわかる何かがあり

互いに正直に思いを話したり愚痴れたり

なんでも話せる関係

それを互いにラクだから錯覚していたのかな

今ではそう思います

彼が頑張っているから私も頑張ろう

これは今でも思います

あの時期、支えてもらったり逆に私が

支えた事もあったのかな

今は別々の道を歩いているけど

恋とか愛ではなかったかもしれないけど

一緒に頑張った時期もあったんだから

幸せであって欲しい

私も幸せだから


振り返ることなく

混雑している改札を抜けて

夫の待つ家へと帰りました

いつもの日常へ





ちなみに今はアンガーマネジメント

ばっちりです笑