今年   2023年1月5日(木)

高圧ガス保安協会のホームページにて

 https://www.khk.or.jp/qualification/national_qualification/index.html 

「第三種冷凍機械責任者(三冷)」の合否結果の発表がありました。

 

 本試験は昨年 2022年11月13日(日)に行われました。

 

 私にとっては3度目の試験でした。

 

 結果は無事に合格出来ていました。(やっと)

ずいぶん時間をかけてしまったものだと思います。

 

 

 2020年4月から取り組んだこの第三種冷凍機械責任者の資格取得。

毎年、11月の第二日曜日が本試験の日に設定されています。

1年に、たった1回しか受験のチャンスはありません。

不合格になれば、次の試験は丸1年後になります。

 

 試験の問題は「法令」と「保安管理技術」の2つの科目があります。

実技試験はありません。

法令は20問、保安管理技術は15問の出題です。

それぞれ、60パーセント以上の正解で合格です。

 

 この資格があれば1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設における

製造にかかわる保安に従事できます。

 

 例えば、冷凍冷蔵機器は工場の冷凍空調機器とか化学工場、食品工場、

冷凍倉庫などやスーパーマーケットなどの冷凍冷蔵ショーケースで

使用されています。

一定以上の冷凍設備がある事業所では冷凍機械責任者の有資格者を配置したり

冷凍保安責任者を選任しなければならない場合もあります。

保安管理者として多くの場所での活躍が期待される資格だと思います。

 

 2020年11月の本試験

私にとって、第1回目の「三冷」挑戦はみごとに失敗しました。

試験の翌日、高圧ガス保安協会ホームページで

( https://shiken.khk.or.jp/shiken.html )

問題と正解が公表されます。

自分で問題と正解を確認して自己採点をするのですが・・。

「法令」は余裕で合格点に達していました。

しかし、「保安管理技術」の科目が合格点に達していませんでした。

あいまいな知識の状態で試験に臨んでも、正解がわかるわけはありませんよね。

 

         

        近年の本試験 データ 

 

     令和3年度(2021年) 受験者数 9858人    合格者 3996人 合格率 40.5%

             

 近年の合格率をみても、難しさを感じる数字です。

おそらく「法令」はクリア出来たとしても、「保安管理技術」で

ふるい落とされているのではないかと思います。

「保安管理技術」をどうクリアするか、

これがいちばん大きな問題になります。

 

 

 機械設備に入れられた高圧ガス(冷媒)は

「膨張」→「蒸発」→「圧縮」→「凝縮」の各過程で状態変化をしながら

循環して周りの温度を上げたり、下げたりすることが可能になります。 

 

       (2度も不合格になるのが うかがえるようなメモ)

 

 その過程における原理や機能、設備の種類に応じて、保安管理のための

決まりごとが細かに多々あります。

 

 そして、内容の難しさ(私にとっては)に加えて、出題される問題への

解答の仕方が難易度をあげていると思います。

 

     (ちなみに正解は(5)です)

 

 選択式なのですが、例えば正解の候補5個のうち、その中に

正しいのは1つだけあるというものではなく、正しいものは複数あります。 

解答選択群には、正しいものと、間違っているものがごっちゃになっている

とか、正しいものだけ とか 全部間違っているものとかが用意されてあり、

その中から選びださなければなりません。

(私が今まで経験した試験で、これほどまで複雑な解答方式の

ものはありませんでした)

 

 2021年11月の本試験

 そして、1年後 2021年11月に また「三冷」の本試験を受けました。

パターンとして、夏に本試験の受験申請をして、夏の終わり頃から

思い出したように受験勉強を始めるのですが

1年前の自分の知識量がふんだんに上がるという感じはしませんでした。

多少、理解は深まっている感じはしますが、メカニズムのくっきりとした

イメージを頭の中に描けないのは変わらないままでした。   

よくわからない所は、やっぱりよく分からないし、時間だけが過ぎたという感じでした。

 

 2021年11月14日(日)に受験して、翌年 2022年1月の合否発表を待ちます。

自己採点では「法令」は合格点です。

「保安管理技術」ひょっとしたら…。 

 

  ハイ、2度目の不合格判定でした。 (ですよねぇ~。)

 

 

 このまま毎年毎年、恒例のように受験をしても合格出来る気がしなくなりました。

もう、不合格判定を背負うのはごめんです。

 

 

 何とかしなくては・・。

(自分自身の独学の限界を感じていました。)

 

      (2020年4月に手に入れたテキストと問題集)

 

 この資格を取得することは決めたことです。

途中で投げ出したくはありません。 

今までかけた時間とお金もあります。 

無駄にはしたくないのです。

諦めたくはありません。

 

 「何かいい方法はないものか…」

2回ダメだったら実行しようと考えていた奥の手を使うことにしました。

私が苦手な「保安管理技術」の科目が本試験で免除になるというもので、

協会が主催する「保安管理技術講習」への参加です。

この講習を受講して、検定試験に合格出来れば、本試験では「保安管理技術」の

科目が免除になり、受験するのは「法令」だけになります。

「法令」だけであれば、合格点に到達できる可能性は大きくなるはずです。

 

 通常、講習は年に2回行われます。 

3日間の予定で朝から夕方までびっしりと学習するわけですが、自分 

ひとりだけではありません。(新型コロナの影響で変更になりました)

周りには同じゴールを目指す、仲間たちがいるはずです。

仲間がいるって、こころ強いですよね。  

 

 2017年に参加した「第二級ボイラー技士」の講習を思い出します。

あの時は、他の参加者からアドバイスをいただいたり、

その後の私自身の資格取得の未来構想を築くことが出来ました。

 

 受講費用がかかりますが、もう ぎりぎりのところまで来ている感じがしました。

資格取得にはモチベーションや勢い、その時のタイミングもあります。

今、なんとかしてこの壁を打破しなければ、一生 この資格は取れないかもしれない

と思えていました。

 

 2022年4月11日(月)受講申請 

受講申請受付開始 初日 に申し込みました。 

受講は定員制で東京都は190人です。 

 

 

受講日   5月27(金)~ 6月17日(金)(期間中有効)

受講費用  19500円(税込み)

 

 受講申請が無事に済んで、ほっと出来たのですが、新型コロナの影響もあり

今回から、対面式の講義ではなく、オンライン受講に変更になりました。

ひとりで、パソコンのモニターに映る講義の動画を見るのです。 

このことは、部屋でひとりでテキストを読むことから動画を見ることで

効果的な勉強方法へのステップアップが出来たということなのでしょうか?

(いずれにせよ、独りでの学習形態に変わりはありません・・)

「法令(7時間以上)」と「保安管理技術(14時間以上)」

動画の内容時間は全部で21時間以上ありました。

受講期間は3日間ではなく、3週間の有効期間が用意されていました。

 

 全日をかけて、対面式で一気に講義を受けた方が理解は進む感じがします。

分からなければ、その場で教えてもらえるはずです。

動画を見れば、分からない部分がなくなるわけではありません。

いつでも、動画は見られるからと思うと、なかなか進まないし、ダラダラして

見ていると、いつのまにか動画を再生したまま眠っているし・・。

 

 なんとか、がんばって動画を見て解説の写真や図、イラストの説明は

パソコン画面をキャプチャーして全部保存しました。

有効期間中の視聴は何度でも可能です。

私は3回視聴しました。

(ただ単に、見ればいいというものではないと思いますけど…)

すべての動画視聴を終え、講習受講証明を出して検定試験に申し込みます。

 

 講習を終えて、検定試験は、その1か月後にあります。

この微妙な空白期間は何なのでしょうか。

良く考えれば、じっくりと更に勉強して十分な準備をしてから

検定試験に臨めるということなのでしょうね・・。

 

 2022年7月3日(日)講習検定試験 

ものすごく気温が上がり歩くだけでも

息苦しくなるようなうだる暑さの中、御茶ノ水駅から歩き、検定試験会場の

全国家電会館へ向かいました。

 

 試験会場にいる方々は、皆同じように21時間以上の動画を見て、

勉強をしてきたはずです。

新型コロナの問題が起きなかったら、同じ教室で共に勉強が出来た

仲間だったかもしれません。 

 

 仕事で徹夜して、検定試験に落ちたくなくて徹夜で勉強して、検定試験が

終わった足で仕事場へ戻り、また仕事をして・・徹夜ばっかり。

今、振り返れば楽しい思い出ですが、正直 一番つらかった時期でした。

1回の受験ですんなり合格出来ていれば、こんなことになりませんでした。

出来が悪いとこういう面で苦労しますよね。

 

 正直なところ、私は講習を受講すれば「保安管理技術」の検定試験は

比較的簡単な問題が出題されると勝手に思っていました。

誰でも合格できると思っていたのです。 しかし…。

 

 検定試験の合格率は60%です。 100%ではありません。

若干のやさしさは感じましたが、出題された問題の難易度は本試験と

それほどの差はないように思えました。(あくまでも個人的な見解です)

 

 2022年8月1日(月)検定試験合否発表 

 高圧ガス保安協会のホームページで検定試験の合格を確認出来ました。

今までは保安管理技術の過去問、模擬試験をやっても、ほとんどが

落第点しかとれませんでした。 

正式に本番で及第点をとれたことがとてもうれしかったです。

 

 

 高圧ガス保安協会には毅然とした厳しさを感じます。 

もちろん、そうであるべきだと思います。

もし、実際の保安管理で間違いを犯してしまったら

大爆発を引き起こして工場ごと吹き飛ばしても不思議ではありません。

事故を起こしてからでは遅いのです。

身の危険を感じるし、責任も重い資格だと思います。

 

 2020年から始めて、2023年の1月末にやっと「第三種冷凍機械責任者」

の資格を取得することが出来ました。

 

 2022年5月~6月にオンラインの講義を受講して、7月に検定試験を受験して、

8月の検定合否発表を待ち、11月に本試験(法令のみ)を受験してと

2022年の後半は「第三種冷凍機械責任者」の資格取得に集中しました。

本来、これ以上の学習をするべきなのだろうなと思います。

 

 

 

 設備管理業界で「ビルメンテナンス4点セット」 

と言われているものがあります。

設備管理業界で仕事をする上で取得した方が望ましい

とされる国家資格の総称です。

 

二級ボイラー技士      (二級ボイラー)

危険物取扱者 乙種四類 (危険物 乙四)

第二種電気工事士    (電工 二種)

第三種冷凍機械責任者  (冷凍三種 三冷)です。

 

 二級ボイラー技士の講習の後から、この4つはいつか必ず揃えようと

こころに決めていました。

 

 関連資格として、消防設備士 乙種四類 も2019年に取得しました。

 

 二級ボイラー技士の資格取得は2017年です。

6年がかりで、やっと揃えることが出来ました。

だからといって、私の仕事上で何かが変わるものでもありませんが、

自分の中ではひとつの大きな区切りがつきました。

 

 私が「第三種冷凍機械責任者」の資格を取得するまでにかけた費用です。

 

2020年   テキスト       949円(送料込み        /     949円    

                          (オークションで落札) 

       問題集       2300円(送料込み)       /  3249円  

                          (オークションで落札)

            本試験受験申請        8200円           / 11449円 

2021年         本試験受験申請    8200円           / 19649円 

2022年         保安管理 技術講習  19500円           / 39140円 

                                         (検定試験料含む)  

     技術講習 初級受験テキスト   2900円  / 42049円 

     技術講習 冷凍関係法規集    1800円  / 43849円 

     技術講習 高圧ガス保安法概要   710円   / 44559円 

              本試験受験申請      9800円  / 54359円 

2023年  免状 交付申請             3400円  / 57759円 

 

  これらの他に必要に応じて写真代、交通費、切手代、

振込手数料などが加算されます。

 

 資格取得のためには、時間もお金もかかります。

例え、資格を手に入れたとしてもそこから実益を生み出さなければ

意味がないことかもしれません。

 

 けれども、未知の世界を知ることは単純に愉しいことです。

不合格の判定は自分自身が全否定され、奈落の底に落ちたように

思えて、悔しくて、情けなくて、涙が出そうになりますが、

合格出来た時は、達成感に満たされて、今までの苦労が吹き飛び、

精神が解き放たれ、身体が軽くなるような感覚になります。

 

 結果が良くても、そうでなくても、すべて自分で決めたことです。

自分の責任に於いて興味のあるものに向き合って生きていけることは

とても幸せなことだと思います。

 

 資格取得に向けた時間の中で、多少の専門知識を得たり、特殊な工具を

使えるようになったという点では眼に見える私自身の進歩だと思っています。

 

 

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。