今回は東海大学の箱根駅伝の振り返りを行っていきたいと思います。出雲、全日本と近年ではワーストの順位に終わり、さらにエースの石原も間に合わずということで苦戦が予想された東海大学。しかし5区で順位を7つ上げたり、復路は9区終了時点で2位だったりと最終的にシードは落としたものの随所で見せ場を作ってくれました。来年も力のある選手が残りますしシード奪還も十分に狙っていけると思います。結果は以下の通りです。

1区:市村(4)区間3位 1時間1分24秒

2区:松崎(3)区間17位 1時間10分1秒

3区:神園(2)区間15位 1時間3分46秒

4区:本間(4)区間13位 1時間3分19秒

5区:吉田(1)区間2位 1時間10分44秒

6区:川上(3)区間6位 58分53秒

7区:越(1)区間3位 1時間3分9秒

8区:入田(2)区間9位 1時間5分53秒

9区:竹村(3)区間8位 1時間9分36秒

10区:吉富(4)区間19位 1時間12分53秒  

 1区は市村。今シーズンエースに成長し春のトラックでは結果を残し続けていました。しかし駅伝シーズンになると中々思うような結果を出せず苦しんでいましたが、その後の20キロのロードレースで復活を遂げると箱根でも区間3位の快走でチームに流れを呼ぶエースらしい走りを見せてくれました。2区は松崎。復帰戦となった全日本では2区7位と好走を見せ今回も活躍が期待されましたが、区間17位の苦しい走りで順位を大きく落としてしまいました。来年は最上級生となるのでリベンジに期待したいです。3区は神園。出雲、全日本共に区間1桁の好走を見せ、箱根では主要区間の3区に抜擢されましたが区間15位とやや悔しい結果になったか。しかし今伸び盛りの選手だけに来年以降の走りも非常に楽しみです。4区は本間。キャプテンとして出雲、全日本と主要区間を任され、箱根でも準エース区間の4区を走りましたが区間13位の走りでチーム順位も上げ切ることが出来なかったのはやや苦しかったか。5区は吉田。初駅伝でトラックレース等の出場も少なったルーキーがいきなりの5区登場で区間2位の爆走を見せ7人抜きを果たしました。1年間5区に絞って登りの練習を重点的にやっていたということで、来年度以降も5区を走ることになれば更なる飛躍が期待できます。これで一気にシード権内に突入し東海の救世主となりました。

 

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 6区は川上。登りが終わった段階では順位を13位まで落としており心配しましたが、下りで一気に切り替えて10位をキープしたまま襷をつなぎました。この山の2人の走りが素晴らしく。東海は山の2区間の合計タイムが全大学でトップとなりました。しかもこの2人は来年も残るわけですからね。7区は越。秋以降一気に調子を上げてきたルーキーがその勢いそのままに序盤から区間賞争いを繰り広げ区間3位の快走を見せました。来年度以降は主力として活躍できるでしょうか。8区は入田。全日本で駅伝デビューを果たした2年生が区間9位と安定した走りで順位をキープして襷をつなぎました。こういう選手の存在が箱根では貴重ですからね。9区は竹村。権太坂の地点では全体で2番目のタイムで通過するなど序盤から積極的な走りを見せ区間8位の走りでシード権内を守ったままアンカーへと襷をつなぎました。全日本のアンカーではやや苦しい走りとなってしまっていましたが箱根ではしっかりとその借りを返してくれましたね。10区は吉富。秋に10000mで28分台を出し最初で最後の箱根を掴み取った選手。中盤までは安定した走りでシード権内をキープしていましたが、最後は低血糖症に陥ってしまったということで帝京、法政に逆転を許しシード権を逃す結果となってしまいました。

MVP:吉田(1)  

 MVPといわれれば吉田一択な気がします。4区終了時点での流れを一気に変えチームを一気にシード争いが出来る位置にまで押し上げました。吉田のあの走りが無ければ復路でシード争いに割って入ることはおそらく厳しかったと思うので。