日本医師会(日医)は、長期入院する精神障害者の地域移行の在り方に関する見解を公表しました。
精神障害者が医療機関から地域生活に安心して移れるようにするため、医療と介護、福祉の関係者が連携して支援する「精神障害者地域包括ケア」を構築する必要性を示しています。
見解では、1年以上入院している患者が退院して地域に移れるよう、病状や年齢を考慮した対応などが求められるが、地域や医療機関の特性などを生かした実効性のある施策がこれまで示されていないと指摘。
また、精神保健医療福祉を抜本的に改革するために必要な財源措置については、「極めて乏しい」としました。
その上で、長期入院する精神障害者が地域生活に移れるようにするため、地元の精神科の医療機関や介護施設、行政の関係者らが連携して退院した精神障害者を包括的に支援する「精神障害者地域包括ケア」を早急に構築する必要性を強調しました。
【外来で入院と同等の治療をする「デイホスピタル」創設も】
一方、精神科病院に求められる取り組みとして、
▽通院が可能な患者に対して、外来で入院と同等の治療対応をする「デイホスピタル」の創設。
▽訪問診療・看護などによる地域精神科医療の充実。
▽長期入院する精神障害者の地域移行への意欲喚起を促す取り組みなどを提示。
また、精神科診療所については、専門性を高めて外来の精神科医療機能を強化することや、他の医療機関との連携をさらに進めることが必要だとしました。
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