彼が夜中に心配そうにのぞき込んでいた。

でも血圧計や心電図なんかの計器類がとれて、
昨日よりはスヤスヤと眠っていたらしい。

とれてよかった。
あれがついてると病っぽい。

午前中に彼が病院を離れた。
わたしに頼まれた用事を済ませに
牛久に戻ってくれた。

また午前中の回診でS先生が来た。

キズを見て
「よしっ。きれいだ。みる?」だって。

えっ!
そんなもの見ないよ!
こわいじゃん!と思って、
首をぷるぷるっっと横に振った。

すると、また「歩いた?」と聞かれた。

「午後歩きます。」と答えると、
腕をしゃかしゃかと振りながら、にこやかに
笑顔で「歩いて歩いて~。」って。

明るい先生(笑)

それにしても足が速い先生だ。
さっさかさっさか行っちゃう。

看護婦さんや一緒に来る若い先生は、
おいてかないでーって感じで
S先生についていく。
ふふふ。
せっかち。

午後、みっぴが来てから、
意を決して立って歩くことにした。

ベッドを起こして、
上半身を90度まで起きあがらせて、
少しずつ体を横に移動させて、
ずるずると足をスリッパの上におろす。

ベッドに寄りかからずに座るのだけで
一苦労。

何をするにもにぶ~い痛みが伴うのね。

体につながったたくさんの管をぶらさげたり、
点滴の台にからませたり。

左に看護婦さん、
右にみっぴに付き添ってもらって、
ゆっくりと立ってみた。

まるで体の中が全部ゼリーで
できているようだった。

体の中が、動くたびに体の中が
ゆれている。。。

ゆれると痛い。

一歩踏み出す。
くら~ん。。。とめまいがした。

「大丈夫。歩ける。」

そう言って、
ベッドから個室の扉のところまで、
ひとりで一歩一歩ゆっくりと
歩いていった。

「すごい!やーーん。
すごいっ!○井さんたらっ!」と
看護婦さんはパチパチパチーっと拍手して、
大きな声でほめてくれた。

わたしは個室のドアから廊下に顔をだして
左右を確認する。

おう。なあんだ。ここにいたのか。

自分がどこにいるかわからなくて
確認をしたかったんだ。

オペの前日にいた大部屋から
ちょっと先の個室にいたんだー。
所在確認をして一安心。

そのままUターンしてベッドに戻ると、
みっぴが。。。泣いていた。


思わず、
つられてわたしまで泣きそうになった。

「良かった。歩けて。」
みっぴは、そう言って涙をふいた。

「そんなことで泣かないでよー。」
わたしはそう言って照れ隠しに笑った。

うん。良かった。歩けて。


痛かったりめまいがする以上に、
すごくうれしかった。
うん。あ わたしは大丈夫だ。
彼にもみせたいな。


一昨日のオペの間のコトを
みっぴが話してくれた。


お母さんは2時間ずっと
マシンガントークだったそうだ。

それはそれはたくさんのネタになる話を
してしまったらしい。

しかも、
最後の頃は話しすぎて声がかれていたとか。。。

中にはすごくおかしくて笑って
おなかが痛くなる話があるというんで、
是非聞きたいけど、キズにさわるので
まだ聞くのはよそう。

てゆーか、いったい何言ったんだろう。

しかも術後されるにオペの説明で
「どなたかおひとり。」と言われて
立ち上がったお母さんは、
ふら~っとして倒れそうだったらしい。

話疲れだたりして。。

結局、彼がお母さんに付き添って
オペの説明を聞いて、
弟とみっぴは待っていたらしい。

するとお母さんはこと細かに聞いたのに
「おっけーおっけー大丈夫。」
しか言わなくて、細かく説明してくれたのは
彼だったとか。。。

みんなの分とか言って
なにやらお弁当とか飲み物持ってきてたし。

天気も良かったから、
まるでピクニックみたいだったなあ。

まだ本を読んだりする元気はない。
絶食中。点滴5本。痛み止め4本。

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アメーバチェック(白地)2001年当時に、自分のHPへ公開していた日記を一部移動しています。