農業をしなさい
っていう本じゃなくて、
気軽な体験型農業を薦める本
でもなくて、
農業体験をした何人もの若者と、そういう人を受け入れる農家ホストの方を
何人か紹介して、それぞれがしたこと、思うことがただただ書かれている。
農業に憧れて参加する人
お金と住むところを与えられて、非日常を過ごす一手段として参加した人
(ホストが農家であったことにこだわらず)。
この本を読んで、何を思うか、何をするかは、人によって違うと思う。
私はやっぱり、農業をしようと思わなかった。
それはこの本を読む前から、変わらないこと。
むしろ、この本を読んで、会社勤めを続けようという気持ちが固まった。
でも、この本を読んで、東京で会社に勤めることは、農業をすることよりも
大事なことを見失いがちになる、と思った。
会社勤めが悪いんじゃなくて、自分をまっすぐに見つめることが難しい場所
なんだと。畑には余計なものがないけど、会社の中は、とても窮屈で功利主義
がまかり通る。だから、他人と比較して、自分がどう利益(お金でも、経験でも)
を得たか、が大事なことに感じやすいのでは。
でも、どんな仕事であっても、その先に誰かいるはず。![]()
キャリアとか、経験とか、成果とかの前に、まず、誰の、どういう要望が、その仕事
を生んだのか。どうしたら満足してもらえるのか。私の仕事は十分だったのか。
農業にこだわる必要なないと思う。
だけど、自分の働きが何を生み出して、受取る人にどう感じられているのかを
知らなきゃいられないと思う。だって、誰だって、自分が必要とされていることとか、
誰かを喜ばせていることが分からなきゃ、迷いを感じるはずだから。
グラフの数字を伸ばすこととか、キャリアを説得力のあるものとすることは
最終的な目標じゃない。
会社で私がやるべきことは、与えられるその仕事、一つ一つをちゃんと
こなすこと。それを忘れないでいれば、それが大きな仕事でも、簡単な仕事
でも、仕事をえり好みして、ごたごた言う気持ちなんて生まれないはずだから。
この本、薦められても、読む気がしなかった。
だって、脱サラして農業を薦める本かと思ったし。
しばらくは、飾っていたんだけど、昨日、時間ができたから、銀座のカフェに
座って外を眺めながら、のんびりページをめくってみた。![]()
そしたら、結構はまった。
ちょっと読むと、考え事をしたり、ちょっと読んで、今度はメモをとったりと、
自分の生き方を回想してしまう、不思議な一冊でした。![]()
