たぶんわたしは
相当真面目な子どもだったとおもう。

ヒステリックな母に怒られたくない
というのもあったけれど

内心そんな母をすきになれなくて
優しさやあたたかさを
他へ求めた。

学校の先生や
近所の友だちのお母さんなど
身近な人の話を素直に聞く子どもだった。

そして
とても真面目に勉強していた。
賢くなって
いつかもっと偉い人になりたい、
と漠然と考えていた。

たぶん
母から離れて
遠くへゆきたかったんだとおもう。

母は
そんなふうにおもわせるほどに、
周りを傷つけるひとだった。