真面目な子どもたぶんわたしは相当真面目な子どもだったとおもう。ヒステリックな母に怒られたくないというのもあったけれど内心そんな母をすきになれなくて優しさやあたたかさを他へ求めた。学校の先生や近所の友だちのお母さんなど身近な人の話を素直に聞く子どもだった。そしてとても真面目に勉強していた。賢くなっていつかもっと偉い人になりたい、と漠然と考えていた。たぶん母から離れて遠くへゆきたかったんだとおもう。母はそんなふうにおもわせるほどに、周りを傷つけるひとだった。