人生を左右する。
まだ、小学校に上がる前だったわたしにとって
父が家を出たことは
大きな痛手になったのはたしかだった。
とても魅力的だった父が
毎日の生活からある日突然消えてしまった。
嘆き悲しんだのは
わたしだけではなかった。
愛された父は、
母方の親戚の心も悲しませた。
おそらく、母の友人たちをも。
もちろん
母の嘆きようは
すさまじいものだった。
幼いわたしにはわからないことばかりだった。
あの優しい父が
どうしていなくなったのか。
どうしてこんなに悲しんでいるのに
帰ってきてくれないのか。
そんな体験は
わたしの価値観
倫理観
恋愛観
友情
正義感
いろいろなものに大きな影響を与えた。