多分小学生ぐらいの頃に読んだ民話。
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昔々、岐阜県のある村に若者が住んでいました。
若者には祖母がいました。
祖母は若者を大変可愛がり、色々な話を聞かせてくれました。
その中でも、何度も聞かされ若者の心に残っていたのは、
祖母がまだ若い頃に琵琶湖の近くの奉公先に行っていた話でした。
話はこんな内容でした。
「奉公先では良くしてもらったが、それでも厳しいこ辛いことも一杯あった」
「そんな時に琵琶湖のほとりで見る広大な景色にとても慰められていた」
「岸まで降りると、足に猫がじゃれるような波が冷たくて気持ちが良かった」
「琵琶湖の水はとても美味しかった」
幸せな生活を送っていた若者と祖母ですが、
ある時祖母が流行病にかかり寝込んでしまいました。
病はなかなか治らずに祖母は痩せ細って行き、
とうとう医者から家族に「覚悟しておいて欲しい」と告げられました。
若者は何とか祖母に元気になって欲しいと思い悩んでいて、
ふっとあの言葉を思い出しました。
「琵琶湖の水はとても美味しかった」
「琵琶湖の水を飲めばきっと元気になってくれる。取りに行こう!」
若者は決心して、竹筒の水筒を1つ持って琵琶湖に向かって走り出しました。
しかし、若者は琵琶湖に行ったことも無く簡単に行ける距離ではありません。
道を尋ねつつ、走り・歩き・再び走り出しながら琵琶湖に向かいました。
そして、ようやく琵琶湖にたどり着いたのは、
とうに日が沈み辺りが真っ暗になった頃でした。
琵琶湖の広大な景色を見ることは出来ませんでしたが、
岸に降り立つと「猫がじゃれつくような波」が冷たく
疲れ切った足に心地よく感じられました。
心地よさから我に返った若者は、急いで琵琶湖の水を水筒に入れ、
腰に結びつけたら再び元来た道を村に向かって走り出しました。
走り続けた若者が村に戻った時にはもうお昼を過ぎていました。
家にたどり着く手前で出会った村人は最初若者をぼうっと見ていましたが、
急に怒鳴り出しました。
「お前、こんな時に一体どこに行っていたんだ!
あんなに可愛がってもらっていたのに!
今まで何をしていたんだ!」
間に合わなかった、、、若者はその言葉ですべてを悟り、
膝をつきその場にうずくまってしまいました。
その拍子に水筒の紐が切れ転げ落ちて栓が外れました。
若者は何時までも涙を流し続け、水筒からは琵琶湖の水が溢れ続けました。
あの大きな池は、こうして若者の涙と琵琶湖の水で出来たのだそうです。
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琵琶湖にまつわる民話ということで思い出したけれど、
地名・池の名前など細かなことは全く覚えていません。
しかもこの民話を読んだのは、このとき一度きりだったので、
その土地にだけ伝わるような(あまり有名でない)話だと思います。