☆☆★(54点) 日本公開 2009.05.15
[解説]
全作「ダ・ヴィンチ・コード」に続く、宗教象徴学者ロバート・ラングドンを主人公にしたダン・ブラウンのベストセラー小説の映画化第2弾。キリストの血脈に迫った前作に対し、本作で描かれるのは宗教と科学の対立。“天使”と“悪魔”のように対立する存在と長く捉えられてきた両者に、歩み寄る道はないのか?という問いが作品の根底に横たわっている。また教皇が逝去し、次の教皇が選定されるまでのヴァチカンという、これまで秘密のヴェールで覆われてきた世界が垣間見られるのも本作の醍醐味。主演は、前作に引き続き「ロード・トゥ・パーディション」「ターミナル」のトム・ハンクス。彼の講釈シーンがやや多かった前作に比べ、反物質の爆発というタイムリミットがある本作では、緊迫度とアクションシーンが格段にパワーアップ。キリスト教など周辺の事情にさほど詳しくなくとも、十分に楽しめる知的エンターテインメント作品に仕上がっている。共演は「ミュンヘン」「バンテージ・ポイント」のアイェレット・ゾラー、「スター・ウォーズ」シリーズのユアン・マクレガーなど。脚本は「宇宙戦争」のデヴィッド・コープと「アイ・アム・レジェンド」のアキヴァ・ゴールズマンが共同で担当し、監督は「ビューティフル・マインド」「フロスト×ニクソン」のロン・ハワード。
[コメント]
原作を端折り過ぎている感もあり、前作の『ダ・ヴィンチ・コード』の方が個人的には良かった。今回の作品ではタイムリミットが重要な要素となっているのですが、それが逆にロバート・ラングトン教授(トム・ハンクス)の名探偵ぶりが不自然・物足りなく感じました。
映画の中の至るところに、ピラミッドに目玉マーク、五芒星、そしてヴァチカンの街並みの中に、ワシントン記念塔に似た塔が点在しており、それを手掛かりにロバート・ラングトン教授(トム・ハンクス)が捜査を開始し続けるのですが、フリーメーソンの象徴となるものが沢山出てきます。小道具にも凝っていて、途中でロバート・ラングトン教授(トム・ハンクス)が腕時計を見るシーンがあるのですが、ミッキー・マウスの図柄になっていて、これは生前にウォルト・ディズニーが「フリーメーソン」の主要なメンバーだったことから引用されたのかと思われます。
[情報]
ジャンル : Suspense/Thriller
製作年 : 2009年
製作国 : アメリカ
配給 : ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間 : 154分
[スタッフ・キャスト]
監督 : ロン・ハワード
脚本 : デイヴィッド・コープ
原作 : ダン・ブラウン
出演 : トム・ハンクス、ユアン・マクレガー、アイェレット・ゾラー、ステラン・スカルスガルド、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ニコライ・リー・コース、アーミン・ミューラー=スタール
[STORY]
ヴァチカンの教皇が逝去した。新たな教皇を決めるコンクラーベ(教皇選挙)を前に、有力な候補である4人の枢機卿が誘拐される。その陰には、かつてガリレオを中心とした科学者たちによる秘密組織イルミナティの姿があった。科学を信仰するイルミナティは、宗教を第一義とするヴァチカンからの弾圧によって消滅を余儀なくされた組織だった。しかし彼らの残党は、科学の先端技術によって欧州原子核研究機構が生成することに成功し驚異的な破壊力を持つ「反物質」も盗み出して、ヴァチカン全体の破壊をも計画していた。ヴァチカンからの使者の依頼を受けて、ハーバート大学の宗教象徴学者であるロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)はローマへと向かう。眼球をくり抜かれて殺害された「反物質」の発明者の娘であるヴェトラ(アイェレット・ゾラー)や前教皇の侍従カメルレンゴ(ユアン・マクレガー)と共に、事件の解明に乗り出すラングドンだが、誘拐された枢機卿たちは「土」「空気」「火」「水」のキイワードのまま、ひとりずつ予告殺害されていく。ラングトンもまた、資料室に閉じ込められて生命の危機に晒されるが、なんとか脱出に成功する。イルミナティの拠点は、ネクロポリスにあった。そこに向かって暗殺者を倒したラングドンたちは、爆発寸前の「反物質」を発見する。すでに解除は不可能な状態にある「反物質」を手にしたカメルレンゴは、ヘリコプターに乗って空中高く舞い上がる。自動操縦に切り替えて、パラシュートで脱出するカメルレンゴ。そして、「反物質」は大爆発した。彼の英雄的行為は、ヴァチカンからも高い評価を得て、次期教皇としてその名が急遽浮上するが…。全てはカメルレンゴの策略であったことをラングトンは明らかにする。事件は解決して、ラングドンは枢機卿からガリレオの著書を受け取る。この世に必要なものは、宗教だけでも科学だけでもなく、天使とも悪魔ともなりうる両方の融合だった。

















