☆☆☆(68点) 日本公開 2010.04.10
[解説]
突如難民として地球上で暮らすことになったエイリアンと、彼らに困惑する人間の姿を描くSFドラマ。
キャストは無名、監督は新人にも関わらず口コミで評価を集め、全米興行収入1億ドルを突破、本年度アカデミー賞で作品賞をはじめとする4部門にノミネートされた話題作。SF娯楽作でありながらも、根底には人種差別、国家や企業のモラル、格差社会などを想起させるメッセージ性の強い内容が評価されたのだろう。舞台が南アフリカというのも、アパルトヘイト政策を連想させ興味深い。エイリアンの移送を通達する役目を負った担当者の男の身に起きた事件を、関係者の証言で振り返る疑似ドキュメンタリー的な展開から、後半は一変、ハードなアクションが繰り広げられる。その予測不可能なストーリー展開に、真実と虚構の見分けがつかなくなりそう。
監督・脚本は本作が長編デビューとなるニール・ブロムカンプ。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソンが製作を担当した。
[コメント]
エイリアン映画としては、新しいタイプのストーリー・捕らえ方をした作品で面白かった。内容も深い。
[情報]
ジャンル : SF/Drama
製作年 : 2009年
製作国 : アメリカ
配給 : ワーナー・ブラザース映画、ギャガ
上映時間 : 111分
[スタッフ・キャスト]
監督 : ニール・ブロンカンプ
出演 : シャルト・コプリー、デヴィッド・ジェームズ、ジェイソン・コープ、ヴァネッサ・ハイウッド、シルヴェイン・ストライク、ジョン・サマー
[STORY]
28年前、正体不明の巨大宇宙船が突如、南アフリカ共和国に飛来した。しかし、そのUFOは首都ヨハネスブルグ上空に浮かんだまま、まるで動こうとしない。痺れを切らした南アフリカ政府はヘリコプターで偵察隊を派遣。船内で彼らを待ち受けていたのは、不衛生で弱り果てたエイリアンの群れだった。彼らは故障した宇宙船に乗った難民だったのだ。処遇が決まるまで、エイリアンはヨハネスブルグにある第9地区の仮設住宅に住まわされることになる。だが、言葉も通じず、野蛮で不潔なエイリアンたちが一般市民と折り合いがつくはずもなく、彼らは下級市民として蔑まれる。何の進展もないまま月日が流れ、エイリアンの管理事業は民間企業マルチ・ナショナル・ユナイテッド社(MNU)に委託されることになった。軍事企業でもあるMNUの傭兵部隊によって力による平和が訪れるかと思われたが、MNUが彼らの世界に介入することはなく、第9地区はスラムと化していく。市民とエイリアンの対立が激化したことを受けて、MNUは第9地区から郊外にある第10地区へ彼らの強制移住を決定。第10地区は第9地区よりもさらに劣悪な環境だったが、MNUは彼らの福利厚生に興味はなかった。立ち退き作業を始めるにあたり、MNUはヴィカス・ヴァン・ダー・マーウィ(シャルト・コプリー)を現場責任者に指名する。事情を把握していないエイリアンたちから、承認のサインを無理矢理取りつけるのが彼の任務だった。しかし、第9地区内の小屋を調査している際に、ヴィカスは謎のウィルスに感染。報告を受けたMNU上層部はヴィカス捕捉の指示を出す。何の説明もなく執拗に追跡してくるMNUの行動にヴィカスは逃げ出すしかなかった。第9地区に逃げ込むと、そこにクリストファー・ジョンソン(ジェイソン・コープ)と名乗るエイリアンが現れる。そして、ヴィカスはボロボロの小屋の地下で見たこともない科学技術を集結させた設備を目撃する。
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