『休みは無いの? 其れとも,出張中で✉も☎も出来ないの?明日の10時迄に連絡がないなら警察に届けます。』



家族の行事的なものがあって、ずっと連絡が来ていたけど、もう話をしたくないので、無視していた。

警察に届けるとか、本当に気持ち悪い。

勝手にすれば。と思ったけど、本当に警察に届けたら警察の人も可哀想なので、メールした。


『当分、連絡しないで欲しいです。疲れました。』


何度か電話が鳴る。
取ってみると兄だった。心配になったらしい。
「会社で何かあったの?」
って言うから、説明した。


「お母さんが私を殴ったこと、絶対に許せない。私達が子供の時、奴隷だったよね。今でも変わってないから、もう私、関わりたくないから。」


兄は知的障害者だから、深い話はできない。
早めに電話を切った。






もう、だめなんだ。私達は。
暴力、虐待を乗り越えて、いい親子になれるなんて、妄想だった。

大学四年生の私。
もしかしたらって希望を持って、実家に帰ることを決めた。
でも不安もあって、仕事は決めずに帰ってきた。
無理だったらいつでも逃げられるようにって。


虐待は許されない。
愛されたくて、愛したくて、家族の愛情が私達の中にもきっとあるって信じて、どんなに許そうとしても苦しいだけだった。


でも、縁を切るのは怖い。
本当に1人になってしまう。
でも、大丈夫だって、自分に言い聞かせよう。


母がいなくても、自分の力でやって行ける。


実家にある私のもの、きっと全て捨てられてしまうのだろう。
今でも時々、「あんたの家じゃないんだから、物置いていくなよ。全部捨てるからな。」って連絡が来る。


学生時代の大切な思い出、これまで私が生きてきた足跡、全て捨てられてしまったとしても、私が無くなるわけではないから。


もっと自分の価値を認めて、私は母と兄がいなくても生きていけるって、言い聞かせよう。


あのイカれた家族ではなく、ちゃんと、無条件に私を愛してくれる人と、これから絆を深めていくんだから。


これまでなんとなく一緒にいた人達と、もっと繋がりを持って、そこを自分の居場所にしてもいいんだから。