前回のブログ書いてて思い出したこと。
母は今でも、私が万引きをして警察に連れていかれた時のことを得意げに話す。
私は14歳だっただろうか。
 
 
小中学生の頃、私の住む地域では、万引きする子が多かった。
半分くらいの子供はやったことがあるんじゃないかと思う。
 
友達とうまくやっていくにはお金が要る。
私は小遣いがなく、おねだりしたらキレられるので、母や祖母からくすねるか万引きするかで、同じレベルを保っていた。
 
 
中学になると、回数はへるものの、やめることはなく、罪悪感はほんの少ししかなかった。
学校の近くの本屋でマンガを盗み、ブザーが鳴って、店員に連れ戻され、
その後はあまり覚えていなくて、気づいたらパトカーに乗っていた。
 
 
パトカーの中で、「ばれちゃったな。もうやめよう。」と思っていた。
「どうしても欲しかったという訳でもないし。」
 
 
警察官は私を見て
「全然反省してないな」
と言った。
 
 
私は、反省はしているつもりで、もうやらないつもりだったけど、この警察官の言う『反省』がどういう態度なのか分からなかった。
 
 
 
反省している事を分かってもらいたかったので、どうやったら反省しているように見えるのか、自分なりにやってみたけど、上手くいかない。
泣けばいいのだろうか、それとも「ごめんなさい」と何度も言えば良いのだろうか。
 
やはり私の気持ちは、相手にはなかなか伝わらないものだな、と感じた。
 
 
 
 
警察署に着くと、いつくか質問され、それに淡々と答えていく私。
警察官は、それも気に入らないように見えた。
 
「反省している態度を見せて、この人を満足させて、早く帰りたい。だってもう私しないから。」
なんて思っているけど、どうしたら良いのかわからない。
まぁ、この「早く帰りたい」っていう気持ちが見抜かれていたのかな(笑)
 
 
なんだか納得しない警察官、どうやって反省を表せば良いのかわからない私。
ふと、少し離れた所に座っていたおじさんの警察官が、
「部活は何してるの?」
と、聞いてきた。
 
 
私は「剣道です」と答えた。
そういえば、コーチは警察官だ。
鬼コーチの耳に入るとまずいな。
 
などと考えていると、おじさんの警察官がこう言った。
 
「剣道してる子が、こんなことやったらダメだよ。」
 
 
 
 
・・・涙があふれた。
なぜだか分からなかった。
 
 
 
 
ただただ涙が溢れ出て、
頭の中では「そうだよね、そうだよね、」と繰り返しながら、泣いていた。
 
お店の人に対する申し訳ない気持ち。
盗みに対する罪悪感はあったのに、
自分自身が、「こんなことをしてはいけない」という、プライドのようなものはなかった。
手を汚すことは、自分を汚すことなのに、何も感じていなかった。
 
何も知らない警察官のおじさんの言葉で、自分にも守るべき価値があることを感じて、
それを傷つけていた自分自身を感じて、そして温かさを感じた。
ここでは泣いても良いような気がした。
 
 
「悪いことだからやってはいけない」
そう教えられてはいたけど、
「剣道を頑張っている、あなただからやってはいけない」
と言われたのは初めてだった。
 
確かに私は頑張っていたし、
一緒に剣道しているメンバーが大好きだった。
強くなるのが楽しくて、負けると悔しかった。
 
何よりも、自分で選んだ部活だった。
 
母に決められた習い事ではない。
先生に決められた部活でもない。
多くの人がやっているから始めた部活でもない。
誰かを喜ばせるためではなくて、自分の興味のあること、大好きな友達と一緒に始めた剣道だったから。
 
私にとっては、「大切」だったんだ。
自分と、自分にとって大切なものを守ること、いつの間にかあきらめていた。
どうでもいいような気がしていた。
 
母との生活で、大切なものを持たせてもらえなくて、
常に否定されて、奪われる。
それが当たり前になっていた。
 
知らないうちに、自分のことを好きでいて、大切にするっていう、
当たり前の本能を奪われていた。
自分から「手放した」と言った方が正しいかもしれない。
 
あの時、きっとそんな自分に気づいたんだと思う。
それで、あんな風に泣いてしまったんだと思う。
 
今でも思い出すと泣いてしまうけど、
誰かにそう言ってもらえたことが嬉しかったんだ。
それが知らないおじさんだったとしても。
 
 
 
 
 
 
冒頭に書いた母の自慢というのは、
この万引きで警察に連れていかれたのは、母の指示だったということ。
 
万引きが見つかったのは、遠い親戚のお店だった。
親戚は警察を呼ぶ前に母に電話をしたら、
母は警察に連れて行くように言ったそうだ。
「あんたは私が言っても聞かないからね、警察にでも行けばわかるでしょ。」
 
私は実際、警察に行って良かった。
でも、母親にそう仕向けられたのは、いい気持ちはしない。
それを得意げに、20年近くたった今でも誇らしげに話すのは、なぜだろう。
 
理解する必要もないと思うけど、その話をされるたびに、
「こいつクソだな」って思ってるよ。
 
 
 
言葉悪くてごめんなさい(笑)
長くなってしまいました・・・。